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太陽の活動領域の出現をAIで予測 黒点が現れる前兆を探る新手法

太陽の表面に黒点が現れる前、その兆しを捉えることはできるのでしょうか?

NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年8月14日、太陽の「活動領域」の出現を予測するAI(人工知能)モデルの研究成果を紹介しました。過去の観測データを用いた検証では、出現を平均約9時間前に予測する結果が得られたといいます。

太陽観測衛星「SDO」が2026年6月30日に捉えた太陽フレア。高温の物質が放つ極端紫外線を観測し、青緑色に着色した画像(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/SDO)
【▲ 太陽観測衛星「SDO」が2026年6月30日に捉えた太陽フレア。高温の物質が放つ極端紫外線を観測し、青緑色に着色した画像(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/SDO)】

活動領域とは、太陽の磁場が局所的に強く集中した領域のことです。黒点が現れることがあり、太陽フレアやコロナ質量放出(CME)の主な発生源にもなります。こうした現象は、宇宙飛行士の安全や人工衛星の運用、地球上の無線通信などに影響を及ぼすことがあります。

研究を進めたのは、NASAが支援する共同研究センター「COFFIES」に参加するニュージャージー工科大学(NJIT)、プリンストン大学、NASAエイムズ研究センターの研究者たちです。開発したモデル「EarlyDetect」には、大規模言語モデルにも使われている「Transformer」というAIの仕組みが応用されています。

予測の手がかりとなるのは、太陽内部を伝わる音波です。磁場が表面へ向かって浮上すると、太陽の振動に微妙な変化が生じます。研究チームは、太陽観測衛星「SDO(ソーラー・ダイナミクス・オブザバトリー)」の観測データから振動の強さの分布を調べ、磁場の測定値と組み合わせてAIに学習させました。

EarlyDetectは、一定期間の観測データを順次読み込みながら、12時間先までの太陽表面の明るさの変化を予測します。黒点が形成されると周囲より暗くなるため、この明るさの低下を活動領域の出現を判断する目印にしています。

平均約9時間前に予測、実用化には課題も

学習に使っていない5つの活動領域を細かな区画に分けて検証したところ、出現を予測できた時間の先行幅は平均9.24時間でした。ただし、結果にはばらつきがあり、誤検出や、出現時刻を実際より遅く見積もる例もあったといいます。また、この数字はデータ処理にかかる時間などを含めたものではなく、実際の予報で常に約9時間の余裕を確保できることを示すものではありません。

現時点ではリアルタイムの予報への実用化には至っておらず、より多くの事例での検証が必要です。また、活動領域が出現しても、必ずフレアやCMEが起きるわけではありません。今回の研究はそれらの発生を直接予測するものではありませんが、太陽活動の変化を早く把握する技術として、将来の月・火星探査を支える宇宙天気予報への貢献が期待されています。

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典