
(引用元:NOIRLab)
こちらは、アメリカ・アリゾナ州にあるキットピーク国立天文台(KPNO)にかかった二重の虹です。1976年、当時この天文台で技術補助員を務めていたカリー・ポートノイ氏が撮影しました。NOIRLabが2026年10月7日付で「今週の画像」として公開しています。

虹と望遠鏡の共通点
写真に写る望遠鏡の多くには、「分光器」という装置が備わっています。天体から届いた光を波長ごとに分け、それぞれの強さを測るための装置です。
雨粒が太陽光を波長ごとに分けて虹をつくるように、分光器も星や銀河から届く光を細かく分けます。ただし、虹を眺めるのとは違い、天文学者は分けた光を詳しく分析します。特定の波長で光が強くなったり弱くなったりする様子から、天体に含まれる元素や、地球に近づく・遠ざかる方向の動きを調べられるのです。遠くの銀河では、光の波長のずれが距離を推定する手がかりにもなります。
天文台にかかった虹は、望遠鏡が光を調べる仕組みを、空に見せてくれたようにも感じられます。
写真に残された設備
画面の左端にあるのは、斜めの構造が特徴的な「マクマス-ピアス太陽望遠鏡」です。1962年に初観測を行い、長年にわたって世界最大の太陽望遠鏡でした。その後ろに立つ真空望遠鏡の塔には、かつて建物のほぼ全高に及ぶ真空室があり、望遠鏡内部の空気の揺らぎを抑える役割を果たしていました。
どちらもすでに運用を終えています。マクマス・ピアス太陽望遠鏡は2017年に運用を終了し、現在は一般向けの天文普及施設への転換が進められています。
画像の中央にあるのは職員用の食堂で、2026年現在も利用されています。その右手には雨に濡れた道路が伸び、「ロボット制御望遠鏡」と、雨上がりの光を受けて輝く「KPNO 2.1m望遠鏡」が並んでいます。2.1m望遠鏡はキットピークで2番目に建設された主要な望遠鏡で、1964年に初観測を行いました。ベラ・ルービン氏が銀河の回転を調べ、暗黒物質の存在を示す証拠を得るために使った望遠鏡としても知られています。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NOIRLab - 1976 Redux: Somewhere Over the Rainbow(iotw2640a)
- NOIRLab - NSF McMath-Pierce Solar Telescope























