
(引用元:NOIRLab)
今回紹介するのは、かに座の方向にある散開星団「プレセペ星団(M44)」のそばを、火星と金星が通過していく様子を記録した合成画像です。2025年の別々の時期に撮影した画像を重ねており、点々と並ぶ明るい光が、それぞれの日に見えた惑星の位置を示しています。

上側に並ぶ火星は2025年4月下旬から5月初め、下側の金星は同年8月下旬から9月初めにかけての姿です。異なる季節の軌跡を一枚に重ねることで、星団を挟んで二列の光の点が並んでいます。無数の星々の中に浮かぶ整然とした並びが、幾何学模様のような美しさを見せています。
画像を制作したのは、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)のアンバサダーを務めるペトル・ホラーレク(Petr Horálek)氏です。火星の位置は、チリ、ボリビア、チェコの観測施設から記録されました。画像は2025年12月31日、NOIRLabの「今週の画像」として公開されています。

惑星が「さまよう星」と呼ばれる理由
プレセペ星団は「ビーハイブ星団(蜂の巣星団)」とも呼ばれ、地球から約600光年先に位置しています。NOIRLabによると、中心部の直径約23光年の範囲に、およそ1000個の星が集まっているといいます。
この星団は、太陽が空を移動する見かけの道筋「黄道」の近くにあります。惑星や月も黄道に近い領域を移動するため、プレセペ星団との接近がたびたび見られます。
地球や他の惑星がそれぞれ太陽の周囲を公転するにつれて、地球から見た惑星の位置は、遠くの星々を背景に少しずつ変わっていきます。この動きは、「惑星」という呼び名にもつながっています。
惑星を意味する英語「planet」は、ギリシャ語で「さまようもの」を意味する言葉に由来します。星座をつくる星々の並びは短期間ではほとんど変わらない一方、惑星は日を追うごとに位置を変えます。画像に並ぶ光の点には、古代の人々が「さまよう星」として見つめた惑星の動きが刻まれています。
なお、2026年10月中旬には、火星が再びプレセペ星団の星々と重なって見える時期を迎えます。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NOIRLab - Warning: Planets Crossing!
- NOIRLab - Warning: Planets Crossing!(ラベル付き画像)
- Star Walk/Vito Technology - Beehive Star Cluster in Cancer: Stars, Location, Mythology























