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いて座で輝く古き星団 ハッブル宇宙望遠鏡が観測した球状星団「NGC 6723」

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した球状星団「NGC 6723」。いて座の方向、地球から約2万7000光年先にあります。

ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が観測した球状星団「NGC 6723」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Sarajedini, G. Piotto)
【▲ ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が観測した球状星団「NGC 6723」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Sarajedini, G. Piotto)】

漆黒の宇宙空間を背景に、無数の星々が画面いっぱいに散りばめられています。星団の中心付近に近づくほど星々が密集し、まばゆい輝きを放っています。

ところどころには「回折スパイク(※)」と呼ばれる十字型の光の筋をともなった星々もあり、まるできらびやかな宝石を散りばめたかのようです。

※…望遠鏡の構造で光が回折することで生じており、ハッブル宇宙望遠鏡の場合は副鏡を支える梁によって十字になる。

NGC 6723は、数万から数百万個の星々が互いに重力で結びついて球状に密集した、球状星団と呼ばれる天体のひとつです。

天の川銀河でおよそ150個の球状星団が知られていますが、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると、宇宙の塵(ダスト)や星々の密集した領域に隠されることで、まだ発見されていない星団が存在する可能性もあるといいます。

100億年以上前に生まれた“天の川銀河の長老”

球状星団には、天の川銀河の中でも最も古い星々が集まっています。NGC 6723の年齢も100億年を超えていますが、球状星団の中には宇宙そのものとほぼ同じくらい古いものも存在するといいます。

これらの星団は、太陽系が属する天の川銀河の円盤部分(銀河円盤)が形成された頃より数十億年も前に誕生したと推測されています。言ってみれば、こうした古い星団は天の川銀河の“最初の構造物”の一部であり、銀河がどのように形成されてきたのかを知るうえで重要な手がかりとなっています。

単純ではなかった? NGC 6723の生い立ち

かつて天文学者たちは、球状星団の星々はすべて同じ時期に、一度の爆発的な星形成によって生まれたと考えていました。もしもそれが正しければ、球状星団の星々はすべて同じ年齢で、同じ化学組成を持っているはずです。

ところが、近年の観測によって、その単純なシナリオは覆されつつあります。可視光線や赤外線に加えて紫外線も捉えられるハッブル宇宙望遠鏡を用いてNGC 6723を観測し、星々の化学組成のわずかな違いを調べた結果、この星団では1回目の星形成から6億3400万年以内に2回目の星形成期が起きたことを示す証拠が見つかったのです。

ハッブル宇宙望遠鏡がもたらした一連の詳細な観測データは、星団内の星の年齢や質量の分布に関するものなど、これまでに数百もの研究論文を生み出してきたといいます。天の川銀河の長老とも言えるNGC 6723は、球状星団がいつ、どのように形成されたのかという謎を解き明かすための光を投げかけています。

冒頭の画像はESA/Hubbleから2026年6月26日付で公開されています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典