
こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した、おとめ座の銀河のペア「Arp 116」です。

楕円銀河と渦巻銀河 対照的な銀河のペア
画像の中央で圧倒的な存在感を放つのは、巨大な楕円銀河「M60(Messier 60)」です。NASA(アメリカ航空宇宙局)によれば、M60は1300以上の銀河が集まる「おとめ座銀河団」のなかで3番目に明るい銀河とされています。
M60の直径は約12万光年、質量は太陽の約1兆倍にも達し、中心には太陽の約45億倍の質量を持つ超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)が存在するとみられています。全体が黄金色にぼんやりと光っているのは、この銀河が主に古い低温の星々で構成されているためです。
その右上に見える青白い銀河は、約6300万光年先の渦巻銀河「NGC 4647」。大きさはM60の約3分の2ほどで、質量はM60よりもはるかに小さな銀河です。NGC 4647の全体が青く輝いているのは、若く高温の星々が多く存在していることを示しています。
このように、Arp 116は大きさも構造も星の色もまったく異なる、対照的な銀河のペアとして知られています。ちなみに、ペアの名称の「Arp」は、天文学者のHalton Arpが1966年にまとめた特異銀河(特異な形態を持つ銀河)のカタログ「Atlas of Peculiar Galaxies」に収録されていることを表しています。
地球から2つの銀河までの距離は、M60が約5400万光年、NGC 4647が約6300万光年です。1000万光年近く離れている2つの銀河ですが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測データからは、潮汐相互作用が始まっている兆しが示唆されているといいます。
宇宙のスケールでは“ご近所さん”といえる近さのM60とNGC 4647、私たちがいま見ているその姿は、重力を介して影響を及ぼしはじめた段階なのかもしれません。
冒頭の画像はNASAから2012年9月6日付で公開されたもので、NASAのハッブル宇宙望遠鏡公式Xアカウントが2026年5月22日付であらためて紹介しています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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