QPS研究所の小型SAR衛星「ヤマツミ-I」早ければ6月12日に打ち上げへ

日本企業の株式会社QPS研究所は2025年6月4日、同社の小型SAR(合成開口レーダー)衛星「QPS-SAR 11号機」、愛称「ヤマツミ-I」の打ち上げ予定日時を発表しました。

同社によると、ヤマツミ-Iは日本時間2025年6月12日(木)0時15分以降に、アメリカ企業Rocket Lab(ロケットラボ)の「Electron(エレクトロン)」ロケットで打ち上げられる予定です。直近では日本時間2025年6月11日(水)0時45分以降に打ち上げられる予定でしたが、天候条件を理由に延期されました。

Rocket LabがQPS研究所の人工衛星を打ち上げるのは、ヤマツミ-Iで4回目となります。直近では、2025年5月に「QPS-SAR 10号機(ワダツミ-I)」の打ち上げに成功しています。【最終更新:2025年6月10日13時10分】

QPS-SARシリーズについて

QPS研究所は地球上の任意の地点を平均10分間隔の“ほぼリアルタイム”で観測することを目指しており、12の軌道に3機ずつ・合計36機の小型SAR衛星で構成された衛星コンステレーション(※)の構築を進めています。

※…地球観測や通信サービス提供などを連携して行うための人工衛星群のこと。

QPS-SARシリーズはその役割や投入される軌道によって愛称が異なります。技術実証機だった1号機と2号機はそれぞれ「イザナギ」「イザナミ」と命名されましたが、3号機以降の商用機は軌道ごとに「アマテル」「ツクヨミ」「スサノオ」「ワダツミ」と命名されてきました。

今回打ち上げられる11号機は新たな軌道に投入されるため、「日本の国土のおよそ3/4を占める山地を守護する重要な神様」(QPS研究所のプレスリリースより)である日本神話の神様の名前を借りて「ヤマツミ」と命名したということです。

また、Rocket LabのQPS-SAR 11号機打ち上げミッションの名称も、衛星の愛称にちなんで「The Mountain God Guards」と命名されています。

関連画像・映像

QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージと11号機「ヤマツミ-I」のミッションマーク
【▲ QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージと11号機「ヤマツミ-I」のミッションマーク(Credit: QPS研究所)】
Rocket LabによるQPS-SAR 11号機「ヤマツミ-I」打ち上げミッション「The Mountain God Guards」のミッションパッチ
【▲ Rocket LabによるQPS-SAR 11号機「ヤマツミ-I」打ち上げミッション「The Mountain God Guards」のミッションパッチ(Credit: Rocket Lab)】

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典



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