auスマホとStarlink衛星の直接通信サービス「au Starlink Direct」提供開始

通信大手のKDDI株式会社は2025年4月10日、アメリカ企業SpaceX(スペースX)の衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」の通信衛星とauスマートフォンによる直接通信サービス「au Starlink Direct」の提供を開始したと発表しました。

対応端末でテキストメッセージの送受信が可能 AndroidはGeminiの利用も

au Starlink Directは、既存のau周波数を活用してStarlink衛星との直接通信を提供するサービスです。エリアは日本全土(47都道府県と領海)とされており、地上の基地局が圏外のエリアでも、地球低軌道を周回するStarlink衛星を経由してテキストメッセージの送受信や位置情報の共有、緊急速報メールの受信(一部機種のみ)が可能。AndroidスマートフォンではGoogleのAIアシスタント「Gemini」を利用することも可能とされています。

サービス開始時点での対応機種は「iPhone 16」シリーズや「Pixel 9」シリーズ(ただしPixel 9aは近日対応予定)など合計50機種で、スマートフォンで設定の確認・変更は必要となるものの、申し込みは不要。利用料金も当面の間は無料です。なお、UQ mobileやpovoへの展開は検討中と報道されています。

KDDIは2021年に光ファイバーの敷設が難しい山間部や離島の基地局向けにStarlinkをバックホール回線(基地局と基幹通信網をつなぐ中継回線)として利用する契約をSpaceXと締結。2023年にはスマートフォンとStarlink衛星の直接通信サービスを提供すると発表し、2024年10月には直接通信でSMSの送受信が可能であることを沖縄県の久米島で行った実証実験で確認していました。

KDDIによると、auの人口カバー率は99.9%を超えているものの、山や島などの地形的な条件により、面積カバー率は約60%に留まります。サービス開始時点でのau Starlink Directは前述の通りテキストメッセージの送受信が主な用途になりますが、au基地局の圏外でも空が見える状況であれば連絡を取れるようになることから、山間部でアウトドアレジャーを楽しんでいる時や、災害で基地局が機能停止した時などで活用されそうです。

関連画像・映像

au Starlink Directのキービジュアル(Credit: KDDI)
【▲ au Starlink Directのキービジュアル(Credit: KDDI)】
au Starlink DirectのAndroid端末での接続イメージ(Credit: KDDI)
【▲ au Starlink DirectのAndroid端末での接続イメージ(Credit: KDDI)】
au Starlink Directの利用イメージ(Credit: KDDI)
【▲ au Starlink Directの利用イメージ(Credit: KDDI)】
au Starlink Directの利用イメージ(Credit: KDDI)
【▲ au Starlink Directの利用イメージ(Credit: KDDI)】
au 5G/4G LTE+au Starlink Directエリア(Credit: KDDI)
【▲ au 5G/4G LTE+au Starlink Directエリア(Credit: KDDI)】

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典