auスマホとStarlink衛星の直接通信サービス提供開始は2025年春に先送り ベータ版で技術検証

通信大手のKDDIは2024年12月25日、アメリカの民間企業SpaceX(スペースX)の衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」の通信衛星とauスマートフォンによる直接通信サービスの提供開始に向けて、携帯電話端末で衛星直接通信を行うための免許が総務省から交付されたことと、商用ライセンスに基づくStarlink衛星の電波発射をアメリカの連邦通信委員会(FCC)から許可されたことを発表しました。

なお、当初2024年内とアナウンスされていたサービスの提供開始時期は2025年春頃からに先送りされており、先行して一部のユーザーを対象としたベータ版サービス2024年内に開始し、全国各地域で技術検証を行う予定であることをKDDIは併せて発表しています。

SMSなどのメッセージ送受信からスタート 将来は音声通話やデータ送受信も

KDDIが提供予定のStarlink衛星との直接通信サービスでは、専用のアンテナなどは不要で、“現行のほとんどのauスマートフォン”で接続できる見込みとされています。2024年10月23日には沖縄県の久米島で実証実験が行われ、圏外の状態にあるスマートフォンが地球低軌道のStarlink衛星と直接通信し、SMSの送受信が可能だと確認されました。

久米島でStarlink衛星との直接通信サービス実証実験中のauスマートフォン(Credit: KDDI)
【▲ 久米島でStarlink衛星との直接通信サービス実証実験中のauスマートフォン(Credit: KDDI)】
Starlink衛星との直接通信サービス実証実験で送受信されたSMS(Credit: KDDI)
【▲ Starlink衛星との直接通信サービス実証実験で送受信されたSMS(Credit: KDDI)】

KDDIによると、日本は山や島などの地形的な条件によって基地局の建設が困難な場所があり、日本の国土におけるauの4G LTEの人口カバー率は99.9%を超えているものの、面積カバー率は約60%に留まるといいます。直接通信サービスが開始されれば、アウトドアや災害などでauが圏外の状況でも空が見える場所であれば、Starlink衛星経由で連絡できるようになるということです。サービスはまずSMSなどのメッセージ送受信から開始され、音声通話やデータ送受信にも順次対応していく予定です。

 

Source

  • KDDI - Starlink衛星との直接通信サービス提供開始に向け電波発射の許可を取得

文・編集/sorae編集部

#KDDI #Starlink #スターリンク #直接通信