月面ローバーの開発を行うispace社は、同社が計画している3回目の月探査ミッションで使用される新型の月着陸船(シリーズ2ランダー)を初公開しました。

ミッション1、2で使用されるシリーズ1ランダーよりも全体の大きさとペイロード設計容量が増加しているということです。シリーズ2ランダーの設計や製造は、コロラド州デンバーにあるispaceの子会社、ispace technologies, U.S.が担当します。今年6月には、「基本設計審査」を完了。月着陸船開発において大きなマイルストーンとなりました。2024年に打ち上げ予定

ispaceが発表したシリーズ2ランダー(Credit: ispace)

【▲ ispaceが発表したシリーズ2ランダー(Credit: ispace)】

シリーズ2ランダーの特徴は以下です。
・(着陸脚を広げた時)高さ2.7m 幅4.2m → ispaceがこれまで開発したランダーでは最大となる見込み。
月面と月周回軌道のどちらにもペイロード輸送が可能。月面への輸送は最大500kg、月周回軌道への輸送は最大2000kg
5基のメインエンジンと12基の姿勢制御スラスターを搭載
複数のペイロードベイを備えたモジュール式のデザイン→様々な種類、顧客のペイロードを積み込める
・エンジンが止まってもペイロードを展開できる仕組み
・極地を含む月の表面、裏側への着陸を目指す
・太陽光が届かない月の夜でも稼働できる初の民間ランダーを目指す
誘導・航法・制御システムを備え高精度着陸を実現する。月面にある岩石などの障害物を避けて、任意の場所に着陸。
→アポロ計画などで経験のあるドレイパー研究所から技術提供

今回のシリーズ2ランダーの発表に伴って、ispaceのCEOである袴田武史氏は「近い将来に向けて、新型のシリーズ2ランダーはお客様へのサービスの質を高めるだけでなく、より月への高頻度なアクセスと機会を提供することを可能にします。」とコメントしています。

ispace社は、日本で初めて民間主導の月面着陸を目指す企業です。2022年に打ち上げと月への着陸を目指すミッション1は、JAXAの変形型月面ロボットUAE(アラブ首長国連邦)の月面探査ローバー「Rashid」などの複数ペイロードを搭載します。今年7月、ミッション1で使用されるシリーズ1のランダーについて熱構造モデルの環境試験を完了し、実際に月へ着陸するフライトモデルの製造を開始したと発表されました。

 

Image Credit: ispace
Source: ispace
文/出口隼詩

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