
(引用元:ESA/Hubble)
今回紹介するのは、こぎつね座の方向約63光年先に位置する太陽系外惑星「HD 189733b」の想像図です。宇宙から見た地球を思わせるような深い青色で描かれていますが、その環境は灼熱の大気に包まれ、ガラスの雨が降ると考えられている過酷な世界です。

青く描かれた系外惑星の正体
HD 189733bは、「ホットジュピター」に分類される巨大ガス惑星です。木星に近い大きさを持ちながら、主星のごく近くを約2.2日で公転しています。主星に極めて近いため、大気の温度は1000℃を超え、時速7000kmにも達する激しい風が吹いているとみられています。さらに、大気中ではケイ酸塩由来の粒子がガラスの雨となって、横殴りに降っている可能性も指摘されています。
この想像図は、2013年にハッブル宇宙望遠鏡(HST)の宇宙望遠鏡撮像分光器(STIS)を使った観測によって、系外惑星の「可視光でみた色(見かけの色)」が初めて測定されたことを受けて制作されたものです。研究チームは、HD 189733bが主星の背後に隠れる前後で、系全体の光がどう変化するかを精密に計測しました。すると、惑星が主星の裏側に回った瞬間に青い波長域の光が減少していることがわかり、この惑星が青く見えることが示されたのです。
その青さは海によるものではなく、高温の大気中に漂うケイ酸塩粒子の影響と考えられています。この粒子が青い光を強く散乱させるために、惑星全体が青く見えるのだといいます。青く見える理由は地球とは異なりますが、HD 189733bでは高温の大気中の粒子が色の印象を左右している点が興味深いところです。
なお、HD 189733bは、2024年にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測によって、大気中に微量の硫化水素が検出されたことでも話題になりました。硫化水素はいわゆる「腐った卵のにおい」の原因となる物質で、系外惑星の大気でこの分子が確認されたのは初めてのことでした。
この想像図はESA/Hubbleから2013年7月11日付で公開されたものです。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- ESA/Hubble - heic1312a
- ESA/Hubble - Science Release heic1312
- Evans, T. et al. "The deep blue colour of HD 189733b: albedo measurements with HST/STIS at visible wavelengths", Astrophysical Journal Letters, 2013

























