
こちらは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVISTA望遠鏡で観測した散光星雲「NGC 2024」とその周辺の様子。オリオン座の方向、地球から約1400光年先にあります。

NGC 2024は「火炎星雲(Flame Nebula)」の別名でも知られています。画像の中央上では別名の通り橙色や赤色の雲がゆらめく炎のような形を描く一方で、NGC 2024から離れた画像の下部では淡く霞んだ煙のような暗い雲が漂うように広がっています。その周囲には青白い星々が雲を取り囲むように点在しています。
塵の雲を見通して若い星団を明らかに
この画像はVISTA望遠鏡の観測装置「VIRCAM(VISTA InfraRed CAMera)」で取得したデータを使って作成されました。人には見えない近赤外線で観測されたため、画像の色は波長に応じて擬似的に色が割り当てられています。
可視光線で観測したNGC 2024は中心部が塵(ダスト)の豊富な厚い雲にすっぽりと覆われていて、内部の様子をうかがい知ることができません。ESOによると、赤外線には塵の雲を透過しやすい性質があるため、内部に隠されていた高温の若い星々からなる星団の姿を明らかにすることができました。
画像に向かってNGC 2024の下には、暗い雲の中に出現した明るい領域のような反射星雲「NGC 2023」や、有名な暗黒星雲「馬頭星雲」も写っています。また、NGC 2024の右隣で明るく輝く青い星はオリオン座の「三つ星」のひとつで、「アルニタク」の名で知られる「オリオン座ζ(ゼータ)星」です。

赤外線専用の「VISTA望遠鏡」運用開始時に公開
この画像は、VISTA望遠鏡の運用が始まった2009年にESOが公開したものです。口径4.1mのVISTA望遠鏡は赤外線観測専用で、満月およそ10個分の範囲を一度に観測できる広い視野を持ちます。また、16基の赤外線検出器を備えた重量3トンのカメラは、微弱な赤外線を捉えるためにマイナス200℃まで冷却されます。
この画像の公開から時間を経た現在も、NGC 2024は研究者から注目され続けており、恒星と惑星の中間的な性質を持つ褐色矮星の探査などが行われています。
冒頭の画像はESOから2009年12月11日付で公開されたもので、ESOの公式SNSアカウントが2026年8月4日に改めて紹介しています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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