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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESO)

今回紹介するのは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が2016年12月12日に公開した、超大質量ブラックホールによって恒星が引き裂かれる様子を描いた想像図です。

超大質量ブラックホールに引き裂かれる太陽に似た恒星を描いた想像図(Credit: ESO, ESA/Hubble, M. Kornmesser)
【▲ 超大質量ブラックホールに引き裂かれる太陽に似た恒星を描いた想像図(Credit: ESO, ESA/Hubble, M. Kornmesser)】

画像の中央から右側を占める黒い部分は、超大質量ブラックホールの「事象の地平線(event horizon)」に囲まれた領域を表し、その手前を横切るように描かれているのは、太陽に似た恒星です。また、黒い部分を縁取る赤い弧は、ブラックホールの強い重力によって進路を曲げられた、背景の恒星やガスの光を描いたものです。

事象の地平線とは、光さえ外へ脱出できなくなる境界のことです。この想像図のブラックホールは太陽の約1億倍の質量を持ち、高速で自転するものとして描かれています。そのため、事象の地平線も上下方向に押しつぶされ、横に広がった形で表現されています。

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恒星がブラックホールに近づきすぎると、ブラックホールに近い側と遠い側とで、働く重力の強さに差が生まれます。そして、この差から生じる潮汐力によって恒星が引き伸ばされ、ばらばらに壊されてしまいます。これが「潮汐破壊現象」です。また、引き裂かれた恒星の物質は、画像に描かれているように長い筋となって伸びていきます。このように強い重力によって天体が細長く引き伸ばされる現象は「スパゲッティ化現象」と呼ばれます。

さらに、潮汐破壊された恒星の物質は、細長い流れとなって移動します。そのうち、ブラックホールの重力に束縛された物質は再びブラックホールへ近づき、一部はそのまま外側へ放出されます。また、戻ってきた物質の流れどうしが衝突して衝撃波が生じるほか、ブラックホールへ落下するガスも高温になります。その結果、非常に明るい閃光が放たれたと考えられています。

増光現象「ASASSN-15lh」

この想像図は、2015年に見つかった増光現象「ASASSN-15lh」の正体をめぐる研究成果に合わせて制作されました。ASASSN-15lhは、全天を監視する超新星探査プロジェクト「ASAS-SN」が捉えた増光現象です。ピーク時には天の川銀河全体が放つ光の約20倍に達したことから、当初は観測史上最も明るい超新星とされていました。

ところが、その後の追跡観測をもとに、研究チームはASASSN-15lhが超新星ではなく、高速で自転する超大質量ブラックホールによって恒星が引き裂かれた潮汐破壊現象だった可能性を提唱しました。今回の想像図は、この解釈を視覚的に表現したものです。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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