
こちらは、ESO=ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)が観測した散開星団「IC 2944」。
ケンタウルス座の方向、約6500光年先にあります。
まるで夕焼け空のような赤い輝線星雲を背景に浮かんだ、輝く星々と暗い雲のコントラストが美しさを感じさせる光景です。

散開星団とは、数十~数百個の若い星がゆるく集まった星の集団のこと。
背景の輝線星雲は、若い大質量星の放射する紫外線によって電離した水素ガスが赤色の光を放っている領域で、電離水素領域やHII(エイチツー)領域と呼ばれるものです。
あちこちに浮かぶ暗い雲は、「ボック・グロビュール(Bok globule)」と呼ばれる孤立した暗黒星雲。ガスや塵(ダスト)が集まった高密度の分子雲であるボック・グロビュールでは、星が形成されることもあります。
ただしESOによると、IC 2944のボック・グロビュールでは星形成の兆候はみられず、その前に周囲の若い星からの紫外線によって破壊される可能性が高いと考えられています。
ちなみに、IC 2944のボック・グロビュールは1950年に見つかったもので、発見した天文学者Andrew David Thackeray氏にちなんで「サッカレーのグロビュール(Thackeray Globules)」と呼ばれています。
冒頭の画像はVLTの観測開始15周年を記念して、ESOから2013年5月23日付で公開されました。
本記事は2021年1月5日公開の記事を再構成したものです。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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