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若き星々が輝く大輪のバラ いっかくじゅう座の「ばら星雲」

こちらは、アメリカ・アリゾナ州のキットピーク国立天文台にあるWIYN望遠鏡で観測した「ばら星雲」(Rosette Nebula、NGC 2237)。いっかくじゅう座の方向、地球から約5000光年先にあります。

キットピーク国立天文台のWIYN望遠鏡で観測した「ばら星雲」(Credit: T. A. Rector/University of Alaska Anchorage, WIYN and NOIRLab/NSF/AURA)
【▲ キットピーク国立天文台のWIYN望遠鏡で観測した「ばら星雲」(Credit: T. A. Rector/University of Alaska Anchorage, WIYN and NOIRLab/NSF/AURA)】

ばら星雲はガスと塵(ダスト)が集まった巨大な分子雲であり、新しい星が次々と生まれている星形成領域のひとつです。

全体の見かけの大きさは満月の6倍以上にもおよび、実際の直径は約100〜130光年にも達します。その名の通り、まるで大輪のバラの花のような美しい姿をしていることで知られています。

星々が彫り刻んだ中心の「空洞」

花の「おしべ」や「めしべ」にあたる星雲の中心部には、「NGC 2244」と呼ばれる散開星団が存在しています。NOIRLab(アメリカ国立光学・赤外天文学研究所)によれば、これらは数百万年前にばら星雲の中で誕生した若い星々です。

若い高温の星々からは、強烈な紫外線や恒星風(星から吹き出す粒子の流れ)が絶えず放たれています。星雲の中心にあったガスは、この強大なエネルギーを受けて加熱され、外側に向かって吹き飛ばされました。ばら星雲の中心にぽっかりと穴の空いた空洞があるのは、こうした星々の活動によるものです。

見えない光を描き出す色彩の工夫

冒頭の画像は、ガスが放つ光を色鮮やかに捉えていますが、人間の目で見たままの色ではありません。

NOIRLabによると、この画像では水素ガスの光を赤色、酸素を緑色、硫黄を青色に割り当てた上で合成されています。こうすることで、目には見えない星雲の化学組成やガスの温度の違いといった詳細な構造を、視覚的に浮かび上がらせることができるのです。

いまも続く新たな星の誕生

NGC 2244が形成された後も、ばら星雲では星の誕生が続いています。NASA(アメリカ航空宇宙局)のChandra(チャンドラ)X線宇宙望遠鏡などの観測データを用いた近年の研究によれば、星雲内のガスの密度が高い領域に、可視光線(人間の目に見える光)では厚い塵にはばまれて見えない数百個もの若い星が隠されていることがわかっています。

また、星雲の縁に点在する暗い塵の塊の中では、新たな恒星や、恒星になるほどの質量を持たない褐色矮星(かっしょくわいせい)などが、現在進行形で育まれていると考えられています。美しくも荒々しいこの“宇宙の花”は、星の誕生と成長の物語を私たちに力強く伝えてくれます。

冒頭の画像はNOAO(アメリカ国立光学天文台・当時、現在のNOIRLab)から2004年1月22日付で公開されたもので、NOIRLabの公式Xアカウントが2026年5月20日付で改めて紹介しています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典