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偶然が生み出した“ダイヤモンドリング” 惑星状星雲「Abell 33」

こちらは、うみへび座の方向・約2500光年先の惑星状星雲「PN A66 33」。

アメリカの天文学者George Abell(ジョージ・エイベル)が1966年に発表した惑星状星雲のカタログには「Abell 33」として記載されています。

まるでダイヤモンドをあしらった指輪のような姿をしていますが、Abell 33そのものは淡い円形の部分のみ。右下の輝きはAbell 33とは関係がない恒星「HD 83535」の光です。

地球から見ると、手前側のHD 83535が奥側のAbell 33の縁にたまたま重なっているため、このような美しい光景として観測されているのです。

ESOの超大型望遠鏡(VLT)が観測した惑星状星雲「Abell 33」(Credit: ESO)
【▲ ESOの超大型望遠鏡(VLT)が観測した惑星状星雲「Abell 33」(Credit: ESO)】

惑星状星雲とは、超新星爆発を起こさない比較的軽い恒星(質量は太陽の8倍以下)が、恒星進化の最終段階で周囲に形成する天体です。

太陽のような恒星が晩年を迎えると主系列星から赤色巨星に進化し、外層から周囲へとガスや塵(ダスト)を放出するようになります。やがて、ガスを失った星が赤色巨星から白色矮星へと移り変わる段階(中心星)になると、放出されたガスが星から放射された紫外線によって電離して光を放ち、惑星状星雲として観測されるようになります。

ESO=ヨーロッパ南天天文台によると、Abell 33の中央やや上寄りの位置には、ガスを放出しきって白色矮星になりつつある白い星が写っています。白色矮星はいずれ冷え切ってしまいますが、この星はまだ明るく輝いていて、放射する紫外線がガスを電離させ輝かせることで、Abell 33の幻想的な姿を浮かび上がらせています。

冒頭の画像はESOが運営するパラナル天文台の超大型望遠鏡(VLT)で取得したデータを使って作成されたもので、ESOから2014年4月9日付で公開されました。本記事は2020年2月13日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典