2019年5月16日に公開された新しい天文画像は、りょうけん座の方向約3000万光年先に位置する不規則銀河「NGC 4485」です。近隣にある大きな銀河「NGC 4490」と相互作用の関係にあり、歪んだ形状が特徴。2つの銀河を合わせてアープ・アトラスの特異銀河の天体カタログの「Arp 269」に登録されています。
「NGC 4485」と「NGC 4490」は過去に最接近したもの考えられています。2つの銀河がすれ違うことで「NGC 4485」は大きく分けて2つの領域を持った天体となりました。画像左側の部分は衝突前の一般的な渦巻銀河の痕跡を残した形状に落ち着いています。画像右側は、青い星団とガスや塵が分布された傷跡と呼ぶべき領域に。これは主に、相互作用によって引き起こされた活発的な星形成領域です。
この星形成領域は、大質量星が次々と生み出されているスターバーストが確認されています。誕生した大質量星は非常に短命であり、短い期間で燃料を使い果たし、超新星爆発によって星の一生を終えます。その結果、星形成領域に新しい星形成材料を供給することになり、更なる新しい星々の誕生に貢献しています。
この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3「WFC3」で撮影されました。2014年に公開された同じ「NGC 4485」の画像に、新たな2つのフィルターを合成しています。画像をアップデートすることにより、複雑で神秘的な銀河の進化の洞察について役立たれます。
Image Credit:ESA, NASA
https://www.spacetelescope.org/news/heic1910/