
NASA=アメリカ航空宇宙局のSean Duffy(ショーン・ダフィー)長官代行は日本時間2025年10月21日、アメリカ主導の有人月探査計画「Artemis(アルテミス)」における初の有人ミッション「Artemis II(アルテミス2)」で使用されるNASAの有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」がロケットに搭載されたことを、SNSを通じて明らかにしました。
初めてクルーを乗せるOrion宇宙船 打ち上げは2026年2月~4月予定


Duffy長官代行がSNSのXで投稿したポストには、打ち上げで問題が発生した時に使用される緊急脱出システムと一体になったフェアリングに格納されているOrion宇宙船が釣り上げられ、大型ロケット「SLS(Space Launch System)」のアダプターと結合される様子を捉えた画像が添付されています。
Artemis計画は月面での持続的な探査活動や将来の有人火星探査を見据えた取り組みです。アメリカにとって1960~70年代に実施された「アポロ計画」以来となる有人月面探査が実施される予定で、月の南極の永久影に埋蔵されているとみられる氷(水の氷)の探査などが行われます。
2022年11月~12月にはOrion宇宙船の無人飛行試験にあたる「Artemis I(アルテミス1)」ミッションが実施され、成功裏に終了しました。


続いて実施されるArtemis IIは、Orion宇宙船の有人飛行試験にあたるミッションです。有人月面着陸は行われませんが、クルーが搭乗したOrionは1972年12月の「アポロ17号」以来およそ半世紀ぶりに、月周辺を有人で飛行する宇宙船となります。
クルーはコマンダーを務めるNASAのReid Wiseman(リード・ワイズマン)宇宙飛行士、パイロットを務めるNASAのVictor Glover(ビクター・グローバー)宇宙飛行士、ミッションスペシャリストを務めるNASAのChristina Hammock Koch(クリスティーナ・コック)宇宙飛行士とCSA=カナダ宇宙庁のJeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)宇宙飛行士の4名です。
Artemis IIのミッション期間は約10日間。打ち上げは早ければ2026年2月5日、遅くとも2026年4月までに行われる予定とされています(2025年9月時点)。

なお、アメリカでは政府予算の期限切れにともなって2025年10月1日から始まった連邦政府機関の一部閉鎖が、本稿執筆時点で3週間にわたって継続しています。NASAでもISS=国際宇宙ステーションの運用など一部の業務に携わる職員を除いて多くが休職していると伝えられており、広報担当者を通じた一般向けの情報発信も停止したままです。
Duffy長官代行のXでのポストは10月に入って以来、Artemis計画に関連した内容にフォーカスしています。Orion宇宙船のSLS搭載作業を伝える今回の投稿は、NASAの広報活動がストップしている状況下において、早ければ3か月半ほど後に打ち上げが迫るArtemis IIの準備が着々と進められていることを内外に示すものとなっています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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