QPS研究所の小型SAR衛星「ヤチホコ-I」早ければ11月6日に打ち上げへ

日本企業の株式会社QPS研究所は2025年10月21日、同社の小型SAR(合成開口レーダー)衛星「QPS-SAR 14号機」、愛称「ヤチホコ-I」の打ち上げ予定日時を発表しました。

同社によると、ヤチホコ-Iは日本時間2025年11月6日4時45分以降に、アメリカ企業Rocket Lab(ロケットラボ)の「Electron(エレクトロン)」ロケットで打ち上げられる予定です。

Rocket LabがQPS研究所の人工衛星を打ち上げるのは、ヤチホコ-Iで6回目となります。直近では、2025年8月に「QPS-SAR 12号機」、愛称「クシナダ-I」の打ち上げに成功しています。

なお、QPS研究所によると、衛星の番号は打ち上げ契約を締結した順番で付与されているため、契約の都合上、13号機に先行して14号機の打ち上げが行われることになったということです。

QPS-SARシリーズについて

QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージ(Credit: QPS研究所)
【▲ QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージ(Credit: QPS研究所)】

QPS研究所は地球上の任意の地点を平均10分間隔の“ほぼリアルタイム”で観測することを目指しており、12の軌道に3機ずつ・合計36機の小型SAR衛星で構成された衛星コンステレーション(※)の構築を進めています。

QPS-SARシリーズの愛称は日本神話の神様の名前を借りて命名されています。技術実証機だった1号機と2号機はそれぞれ「イザナギ」「イザナミ」と命名されましたが、3号機以降の商用機は軌道ごとに「アマテル」「ツクヨミ」「スサノオ」「ワダツミ」「ヤマツミ」「クシナダ」と命名されてきました。

今回打ち上げられる14号機は新たな軌道に投入されることから、「国造りの神として古来より広く崇敬を集め、国土の形成や統治を主導した」と言われている(QPS研究所のプレスリリースより)ヤチホコが選ばれました。ちなみに、ヤチホコはオオクニヌシの別名とされています。

また、Rocket Labの打ち上げミッションの名称も、衛星の愛称にちなんで「The Nation God Navigates」と命名されています。

※…地球観測や通信サービス提供などを連携して行うための人工衛星群のこと。

関連画像・映像

QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージと14号機「ヤチホコ-I」のミッションマーク(Credit: QPS研究所)
【▲ QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージと14号機「ヤチホコ-I」のミッションマーク(Credit: QPS研究所)】
Rocket LabによるQPS-SAR 14号機「ヤチホコ-I」打ち上げミッション「The Nation God Navigates」のミッションパッチ(Credit: Rocket Lab)
【▲ Rocket LabによるQPS-SAR 14号機「ヤチホコ-I」打ち上げミッション「The Nation God Navigates」のミッションパッチ(Credit: Rocket Lab)】

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典