
株式会社ispaceは2025年10月2日、同社が開発中の月着陸機「シリーズ3ランダー」(仮称)の熱構造モデルを用いた環境試験が完了したことを発表しました。
ispaceの本格的商業化モデルとして開発中
宇宙規模の生活圏構築を見据えるispaceは、民間企業として月面への軟着陸に挑んでいます。同社はこれまでに「HAKUTO-Rミッション1」で2023年4月に、「HAKUTO-Rミッション2“SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”」で2025年6月に着陸が試みられましたが、いずれも軟着陸には至らず、着陸機は月面にハードランディング(硬着陸)したものとみられています。

今回環境試験が完了したシリーズ3ランダーは、ispaceが本格的商業化モデルとして新たに開発を進めている月着陸機です。過去2回のミッションで使用された機体は着陸脚を展開した状態で高さ約2.3m・幅約2.6m・重量約340kgでしたが、新しいランダーは着陸脚が固定式で、高さ約3.6m・幅約3.3m・重量約1000kgに大型化(※機体の重量はいずれも推進剤なしの状態での数値)。ペイロードは最大数百kgを搭載できる見込みです。
熱構造モデルを用いたシリーズ3ランダーの環境試験は、JAXA=宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センターの環境試験設備で2025年4月から実施されました。月着陸機はロケットで打ち上げられる時の激しい振動や音、宇宙での極端に変化する温度といった過酷な環境に耐える必要があります。環境試験は機体の構造や熱設計が期待通りに確認するために行われるもので、打ち上げ環境や宇宙環境を再現した振動試験・音響試験・熱真空試験が行われました。
シリーズ3ランダーの初飛行となるミッション4は2028年に打ち上げが行われる予定です。完了した環境試験の結果は次の段階である詳細構造設計に反映され、構造設計の認定試験を行うための構造モデルで再度検証されます。ispaceは月面着陸の成功に向けて引き続き着実に開発を進め、フライトモデルの完成を目指すということです。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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