
(引用元:ESA/Hubble)
今回紹介するのは、約110億年前に存在した超高密度な銀河の中にもし惑星があったとしたら、その夜空はどのように見えるのか、というコンセプトで描かれた想像図です。星が空一面にぎっしりと広がるこの1枚では、地球の夜空と比べて約200倍もの星が輝いていると考えられています。
画像を公開したESA/Hubbleが付けたタイトルは「Starry, Starry Night」。これは、フィンセント・ファン・ゴッホの名画『The Starry Night(邦題:星月夜)』を踏まえたフレーズで、歌手のドン・マクリーンが同作にちなんで作った楽曲「Vincent」の歌い出しとしても知られています。

この想像図が作成された背景には、2008年に発表された初期宇宙の銀河に関する研究があります。この研究では、ハッブル宇宙望遠鏡とハワイのW.M.ケック天文台を使い、宇宙誕生からまだ30億年も経っていなかった頃、約110億年前の銀河9個が詳しく調べられました。
驚くべきことに、これらの銀河はいずれも天の川銀河の20分の1ほど、直径約5000光年という小さなサイズしかありませんでした。それにもかかわらず、太陽の約2000億倍もの質量を持っていたのです。天の川銀河の銀河バルジ、つまり中心付近の明るく膨らんだ構造にすっぽり収まるほどの空間に、現在の大型銀河と同程度の星が詰め込まれていたことになります。これほど狭い空間に星が密集していれば、そこから見上げる夜空が星で埋め尽くされていたとしても不思議ではありません。
こうした超高密度銀河がどのように形成されたのかについては、ビッグバン後まもない宇宙に存在したダークマター(暗黒物質)の塊に水素ガスが集まり、その重力の渦の中で猛烈な勢いで星が誕生したとする仮説が提唱されています。一方で、これらの小さく重い銀河がその後どのようにして現在のような大きな銀河へ成長したのかは、いまだ完全には解明されていません。
地球の約200倍もの星がきらめく空。約110億年前の超高密度な銀河の中に惑星があったとしたら、その夜空はまさに「Starry, Starry Night」と呼ぶにふさわしい世界だったはずです。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- ESA/Hubble heic0811 - Compact galaxies in early Universe pack a big punch
- NASA/Hubble - Compact Galaxies in Early Universe Pack a Big Punch










