アメリカ宇宙軍の無人スペースプレーン「X-37B」が8回目のミッションへ 2025年8月打ち上げ予定

USSF=アメリカ宇宙軍は2025年7月28日付で、同軍の無人軌道試験機「X-37B」による8回目のミッション「OTV-8」の打ち上げを2025年8月21日に実施する予定だと発表しました。

X-37Bはアメリカの航空機大手Boeing(ボーイング)が開発・製造し、USSFがRCO=空軍省迅速能力開発室と連携して運用する無人のスペースプレーンです。

これまでに7回のミッションで飛行しており、直近では2023年12月から2025年3月にかけての434日間にわたる「OTV-7」ミッションを行っています。また、2020年5月から2022年11月にかけての「OTV-6」ミッションでは、最長となる908日間の飛行を行いました。

USSFによると、OTV-8ミッションのX-37Bはアメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから、SpaceX(スペースX)の「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットで打ち上げられます。

「OTV-7」ミッションを終えて帰還したアメリカ宇宙軍の無人軌道試験機「X-37B」(Credit: U.S. Space Force)
【▲ 「OTV-7」ミッションを終えて帰還したアメリカ宇宙軍の無人軌道試験機「X-37B」(Credit: U.S. Space Force)】

レーザー通信や量子慣性センサーの実証を行う予定

軍のスペースプレーンということで機密性の高さが注目されるX-37Bですが、USSFは大まかな活動内容を明らかにしています。

今回のOTV-8ミッションでは、商用の衛星ネットワークを利用したレーザー通信や、宇宙で使用されるものとしてはこれまでで最も高性能だという量子慣性センサーの実証が行われる予定です。

レーザー通信は1回の伝送で送信できるデータ量を無線周波数通信よりも増やせることに加えて、秘匿性を高めることが可能。量子慣性センサーは原子を用いて回転や加速を検知する装置で、GPSが利用できない環境でのナビゲーションに役立つとされています。いずれも宇宙におけるレジリエンス(回復力、復元力)や柔軟性を高める技術としてUSSFは重要視しています。

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典