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NASA=アメリカ航空宇宙局は2025年5月28日付で、小惑星探査ミッション「Psyche(サイキ)」の探査機に関する情報を更新しました。
イオンエンジンへのキセノンガス供給系統を予備に切り替え
Psyche探査機にはキセノンを使用するイオンエンジンが4基搭載されています。イオンエンジンは2024年5月から稼働していましたが、2025年4月1日にキセノンガスを供給する配管で圧力の低下が検知されました。
これを受けて、Psyche探査機は設計されていた通りにエンジンを停止。圧力は36psiから約26psiまで低下しており、Psycheミッションのチームは圧力低下の原因を技術者が解明するまでの間、イオンエンジンの稼働を延期する決定を下していました。
NASAによると、キセノンの供給圧力の低下はガスの流れを制御するバルブの1つで生じた機械的な問題だと判明。精密なテストと診断の結果、バルブの1つで内部の部品が機能しなくなり、ガスの流れをさまたげているとチームは結論付けました。
キセノンの供給ラインは2系統用意されていて、チームは予備の系統への切り替えに成功。現在は正常に動作しており、2025年6月中旬までにイオンエンジンの稼働が再開される予定だということです。
ひとことコメント
ひとまず安心! まずは来年の火星スイングバイに向けて順調に飛行できることを願います。(編集部)
Psycheとは
Psycheは火星と木星の間に広がる小惑星帯を公転する最大幅280kmの小惑星「Psyche(プシケ)」の周回探査を目的とするミッションです。低コスト・高効率な探査を目指すNASAの「ディスカバリー計画」14番目のミッションとして2017年に選定されました。
Psycheは鉄やニッケルといった金属を豊富に含む「M型小惑星」に分類されていて、その正体は初期の太陽系で形成された原始惑星のコア(核)ではないかと予想されてきました。過去に探査機が接近して観測した小惑星や彗星は主に岩石や氷でできていたため、Psyche探査機は金属質の小惑星を初めて間近で観測することになります。
地球のコアを直接調べることはできませんが、原始惑星のコアだった可能性があるPsycheの観測を通じて、地球のような惑星の形成についての貴重な情報が得られると期待されています。
2023年10月にアメリカ企業SpaceXの「Falcon Heavy(ファルコンヘビー)」ロケットで打ち上げられたPsyche探査機は、2026年に火星でスイングバイを実施した後、2029年にPsycheに到着して、26か月間にわたる周回探査を実施する予定です。
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文・編集/sorae編集部
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