スペースXは現地時間2023年2月27日、第2世代スターリンク衛星「Starlink V2 Mini」21機の打ち上げに成功しました。V2 Miniは従来の第1世代スターリンク衛星よりも機体が大きく、通信の処理能力も高いということです。今回の打ち上げ成功により、これまでに打ち上げられたスターリンク衛星の総数は4002機(プロトタイプを含む)となりました。

【▲ ケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられる「ファルコン9」ロケット(Credit: SpaceX)】

21機のスターリンク衛星を搭載した「ファルコン9」ロケットは、米国東部標準時2023年2月27日18時13分、米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設から打ち上げられました。スペースXによると、太陽活動にともなう宇宙天気の懸念(space weather concern)のため、打ち上げは当初の予定から約5時間延期されたということです。

発射後、ファルコン9の第1段機体はドローン船「A Shortfall of Gravitas」への着陸に成功しました。この機体は今回が3回目の飛行で、これまでに2022年11月26日に打ち上げられた国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給ミッション「CRS-26」や、2023年1月10日の「OneWeb 16」ミッションの打ち上げで使用されています。

第2世代スターリンク衛星は、従来の第1世代スターリンク衛星よりも処理能力・通信能力が高くなり、衛星に搭載されている電気推進システムも新しくなりました。電気推進システムの推進剤には一般的にキセノンが使用されていますが、価格が高騰していると言われており、キセノンに代わる推進剤が検討されてきました。第2世代スターリンク衛星ではアルゴンを推進剤としたホールスラスターが採用されており、スペースXは「宇宙空間で初めて運用される」と述べています。

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【▲ 第2世代スターリンク衛星「Starlink V2 Mini」(Credit: SpaceX)】

大型化した第2世代スターリンク衛星は、現在スペースXが開発中の新型ロケット「スターシップ」による打ち上げが予定されています。しかし、スターシップの開発には遅れが生じており、未だ運用には至っていないことから、現在の主力ロケットであるファルコン9に搭載できる小型の第2世代スターリンク衛星として「Starlink V2 Mini」が開発されました。Miniとはいっても第1世代スターリンク衛星と比較して衛星のサイズが大きくなったため、1回の打ち上げでファルコン9ロケットに搭載できる衛星の数は少なくなっています。第1世代の衛星では約60機が搭載できましたが、今回の打ち上げではその3分の1程度となる21機が搭載されました。

なお、今回のミッションでスペースXは、「シェル6」と呼ばれる軌道へ衛星を投入しました。「シェル」とは衛星の高度や傾斜角が異なる軌道に付けられる名称のことで、「シェル1」から「シェル8」に分類されています。第2世代のスターリンク衛星は「シェル6」から「シェル8」に投入されるということです。

参考記事:スペースX、第2世代スターリンク衛星「V2 Mini」を打ち上げへ

 

Source

文/出口隼詩

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