アリアングループの工場で組み立てられた「アリアン6」第2段の試験用モデル(HFM)(Credit: ArianeGroup/Frank T. Koch/Hill Media GmbH)

アリアングループの工場で組み立てられた「アリアン6」第2段の試験用モデル(HFM)(Credit: ArianeGroup/Frank T. Koch/Hill Media GmbH)

欧州宇宙機関(ESA)は1月29日、現在開発が進められている新型ロケット「アリアン6」第2段の試験用モデル(HFM:Hot Firing Model)がドイツのブレーメンにあるアリアングループの工場から出荷されたことを発表しました。

アリアン6は現在運用されている「アリアン5」の後継にあたるロケットです。今回出荷されたのは実際の打ち上げに使われる第2段と同じ仕様のモデルで、ドイツのランポルツハウゼンにあるドイツ航空宇宙センター(DLR)の試験場に向けて移送されました。ランポルツハウゼンではタンクへの極低温推進剤(液体水素と液体酸素)の充填や加圧、エンジン停止中の弾道フェーズ、エンジンの再点火といった、第2段の飛行中におけるあらゆる側面がシミュレートされることになります。

側面から撮影された「アリアン6」第2段試験用モデル(HFM)(Credit: ArianeGroup/Frank T. Koch/Hill Media GmbH)

側面から撮影された「アリアン6」第2段試験用モデル(HFM)(Credit: ArianeGroup/Frank T. Koch/Hill Media GmbH)

アリアン6の第2段のサイズは高さ11.6m、直径5.4mで、新開発の「ヴィンチ(Vinci)」エンジン1基を搭載。14分以上の燃焼時間と最大4回の点火に対応しており、複数の人工衛星・探査機などを異なる軌道に投入することが可能です。

また、アリアン6には2つの仕様があり、高度500kmの太陽同期軌道への打ち上げ能力は固体燃料ロケットブースター(P120)を2基備えた「A62」が6.5トン、ブースターを4基備えた「A64」が15トンとされています。

なお、ESAでは今回試験用モデルが出荷された第2段と並行して第1段のコアステージやブースターの開発、ギアナ宇宙センターにおける発射場の建設も進められています。アリアン6の初飛行は2022年の第2四半期に予定されています。

アリアン6(A64)を描いた想像図(Credit: ESA - D. Ducros)

 

関連:欧州の新型ロケット初飛行、「ヴェガC」は2021年「アリアン6」は2022年に

Image Credit: ArianeGroup/Frank T. Koch/Hill Media GmbH
Source: ESA / DLR
文/松村武宏

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