
(引用元:ESO)
今回紹介するのは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が2007年2月23日に公開した、りゅうこつ座イータ星(イータ・カリーナ)の恒星風の内部構造の想像図です。ESOの超大型望遠鏡干渉計(VLTI)の近赤外線干渉分光装置「AMBER」の観測データをもとに再現されたものです。

りゅうこつ座イータ星は、南天のりゅうこつ座の方向約7500光年先に位置する大質量の連星系として知られています。主星は太陽の約90〜100倍の質量を持つとされ、連星系全体では太陽の500万倍を超える光を放つ、天の川銀河でも特に明るい恒星系のひとつです。19世紀には「大噴出」と呼ばれる激しい増光を起こし、1843年頃には夜空でシリウスに次いで2番目に明るく輝いたという記録が残されています。
この星の中心部は、猛烈に吹き出す高密度の恒星風に覆われているため、中心の恒星そのものを直接観測することはできません。しかしAMBERによる観測から、その恒星風は球形ではなく、極方向に引き伸ばされた構造をしていることが推測されました。これは、高速で自転する大質量星では赤道方向よりも極方向に強く物質が放出される、という理論モデルと一致する結果です。
宇宙の時限爆弾
いつ大爆発を起こしてもおかしくない「宇宙の時限爆弾」とも呼ばれる、りゅうこつ座イータ星。もし超新星爆発(または極超新星爆発)を起こせば、地球からは真昼の空でも見えるほど強烈に輝くと予想されています。
かつては爆発時に放たれる強烈な放射線(ガンマ線バースト)の直撃を懸念する声もありましたが、近年の精密な観測によって星の自転軸が地球から大きく逸れていることが判明し、現在では地球への影響はないと考えられています。
冒頭の想像図は、まるで壮絶な爆発前夜のような荒々しい姿を描き出していますが、いつ ”その時” が訪れるのかは分かっていません。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- ESO - The inner winds of Eta Carinae
- ESO - AMBER Instrument on VLT Delivers a Wealth of Results
- Astronomy & Astrophysics - Near-infrared interferometry of η Carinae with spectral resolutions of 1 500 and 12 000 using AMBER/VLTI
- NASA Scientific Visualization Studio - Eta Carinae’s Homunculus Nebula Now in 3D























