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巨大な星が促す次世代の星形成 超大型望遠鏡VLTが観測した“ほ座”の星形成領域「RCW 34」

こちらは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)で観測した星形成領域「RCW 34」です。ほ座(帆座)の方向、地球から約1万光年先にあります。

ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)で観測した星形成領域「RCW 34」(Credit: ESO)
【▲ ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)で観測した星形成領域「RCW 34」(Credit: ESO)】

青く輝く星々の背後で壮大に広がる赤いガスの雲は、まるで星々を包み込もうとしているかのようです。

画像の右上、RCW 34で最も明るい領域には、大質量の若い星々が隠されています。ESOによると、これらの星々から放たれる強い紫外線によって周囲の水素ガスが加熱・電離することで、赤色の光を放つ電離水素領域(HII領域)が形成されています。

領域の内部で強く加熱されたガスは、周囲の冷たいガスを押し広げていきます。そして星雲の境界に達すると、星間空間に向かって一気に噴き出します。こうした現象は、シャンパンのコルクを抜いた際に中身が噴き出す様子に例えて、「シャンパン・フロー(champagne flow)」と呼ばれているといいます。

巨大な星が次世代の星形成を誘発する

RCW 34の内部は厚い塵(ダスト)の雲に覆われていて、可視光線ではその奥深くを覗き込むことができません。しかし、塵にさえぎられにくい赤外線を利用した観測によって、この星雲内では複数回の星形成が起きていたことが示唆されています。

ESOによると、太陽よりも質量の小さな若い星々が、星雲の中心部に位置する古い大質量星の周りに群がるように分布していることが、赤外線の観測データからわかっています。最初に誕生した巨大な星々が周囲の環境に影響を与え、それに誘発される形で次世代の星々が次々と形成されたと考えられています。

中心の星がやがて迎える壮絶な最期

この領域の中心でエネルギー源となっているのは、表面温度が約3万℃にも達する極めて高温の大質量星「V391 Velorum(ほ座V391星)」です。しかし、このように巨大で明るい星の寿命は数百万年と短く、やがて超新星爆発を起こしてその一生を終える運命にあります。

将来、この星が超新星爆発を起こせば、その強烈な衝撃波によって、RCW 34の形状は根本から変わってしまうと予想されています。私たちが目にしているのは、絶えず形を変え続ける宇宙のドラマの、ほんのつかの間のワンシーンと言えるでしょう。

冒頭の画像はESOから2015年5月27日付で公開されたもので、ESOの公式SNSアカウントが2026年7月9日に改めて紹介しています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典