
こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した星形成領域「LH 95」。かじき座の方向、地球から約16万光年先にあります。

深紅に燃え上がるようなガスの雲を背景に、無数の青や白の星々が鮮やかに瞬いています。アメリカの独立記念日間近に公開されたこの画像は、赤・白・青という星条旗を思わせる三色が見事なコントラストを描き出しており、まるで夜空に打ち上げられた花火のような美しさを感じさせます。
周囲の星々よりも極端に重くて若い大質量星
LH 95は、天の川銀河の衛星銀河(伴銀河)である大マゼラン雲(大マゼラン銀河)にあります。
NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、ここでは太陽の3倍以上の質量を持つ星々が強力な紫外線と恒星風を放っています。その影響を受けた周囲の水素ガスは電離して赤い光を放ち、侵食された高密度の雲が暗く複雑な塵(ダスト)の帯を描いています。
2012年に発表された研究によると、画像の中央やや左上にある明るい星は、質量が太陽の60~70倍もある大質量星です。興味深いことに、周囲の星々の年齢が約400万年と推定されているのに対し、この星だけは約33万年と非常に若いことが示されています。こうした大質量星は輝くための“燃料”を急速に消費し、やがて超新星爆発を起こして恒星としての短い生涯を終えることになります。
長期間にわたる星の誕生と成長
美しいLH 95は、星の形成過程を解き明かす上でも非常に貴重な観測対象です。
NASAによれば、この領域には周囲のガスや塵から質量を蓄積しつつあるものの、まだ中心部で核融合反応を開始していない前主系列星が、約2500個も潜んでいることが確認されています。これらの若い星々を詳しく分析した結果、星が周囲の物質を取り込む期間は従来の想定よりも長く、数百万年にもおよぶ可能性があることが判明しました。
また、LH 95では一度にすべての星が誕生したわけではなく、長期間にわたって複数の世代の星が次々と形成されていることも明らかになっているということです。
冒頭の画像はNASAから2026年7月3日付で公開されています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - NASA's Hubble Captures Crimson Cloud Sparkling with White, Blue Stars
- Da Rio et al. - massive stellar population in the young association LH 95 in the Large Magellanic Cloud (Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)

























