銀河風を吹かせる約1200万光年先のスターバースト銀河「M82」 ハッブルとチャンドラの合作

こちらは、渦巻銀河「M82」。

おおぐま座の方向、約1200万光年先に位置する銀河です。

M82は、通常の銀河と比べて10倍~100倍という激しいペースで星形成活動が起きている、スターバースト銀河のひとつとして知られています。

誕生した若い星々の強力な放射と星風によって、M82では銀河風としてガスや塵(ダスト)が流出しています。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)とチャンドラX線宇宙望遠鏡(Chandra)が観測した銀河「M82」(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)とチャンドラX線宇宙望遠鏡(Chandra)が観測した銀河「M82」(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)】

画像は、「ハッブル宇宙望遠鏡(HST)」とX線宇宙望遠鏡「チャンドラ(Chandra)」の各観測データを組み合わせて作成されました。

スミソニアン天体物理観測所のCXC=チャンドラX線センターによると、チャンドラは数百万度の高温ガスの泡構造を捉えました。この構造はM82の銀河円盤から数万光年以上離れたところまで膨張して広がっているといいます。

可視光線だけでなく、赤外線、電波、X線といった異なる波長を用いる多波長観測は、天体の特徴をより詳しく調べる上で欠かせません。

激しい星形成活動の結果である銀河風と高温ガスの構造を示したこの画像は、チャンドラを運用するCXCから2025年7月23日付で公開されています。

関連画像・映像

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した銀河「M82」(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した銀河「M82」(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)】
チャンドラX線宇宙望遠鏡(Chandra)が観測した銀河「M82」(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)
【▲ チャンドラX線宇宙望遠鏡(Chandra)が観測した銀河「M82」(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)】

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典