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スペースシャトル「チャレンジャー」の事故から40年 NASAが2026年の「追悼の日」を迎える

NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年1月22日に、今年の「追悼の日(Day of Remembrance)」の記念行事を執り行いました。

毎年1月下旬から2月上旬にかけては、NASAにとって特別な時期です。アポロ計画で1回、スペースシャトル計画で2回の事故がこの時期に集中するように起きていて、合わせて17名の宇宙飛行士が命を落としているからです。

NASAは1月の第4木曜日を追悼の日と定め、毎年アメリカ各地で記念行事を行っています。

アーリントン国立墓地の記念行事で献花するNASAのJared Isaacman長官。2026年1月22日撮影(Credit: NASA/Keegan Barber)
【▲ アーリントン国立墓地の記念行事で献花するNASAのJared Isaacman長官。2026年1月22日撮影(Credit: NASA/Keegan Barber)】

2026年はチャレンジャーの空中分解事故から40年

今年2026年は、スペースシャトル「Challenger(チャレンジャー)」によるSTS-51Lミッションの打ち上げ時に事故が起きてから40年の節目です。

アメリカ東部標準時1986年1月28日11時38分にアメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられたチャレンジャーは、2本の固体燃料ロケットブースターの片方に生じたトラブルが原因で、発射73秒後に空中分解。コマンダーのFrancis R. “Dick” Scobee(ディック・スコビー)宇宙飛行士以下7名が亡くなりました。

STS-51Lミッションのクルー。前列左から: Michael J. Smith宇宙飛行士、Francis R. (Dick) Scobee宇宙飛行士、Ronald E. McNair宇宙飛行士。後列左から: Ellison S. Onizuka宇宙飛行士、Sharon Christa McAuliffe宇宙飛行士、Gregory Jarvis宇宙飛行士、Judith A. Resnik宇宙飛行士(Credit: NASA)
【▲ STS-51Lミッションのクルー。前列左から: Michael J. Smith宇宙飛行士、Francis R. (Dick) Scobee宇宙飛行士、Ronald E. McNair宇宙飛行士。後列左から: Ellison S. Onizuka宇宙飛行士、Sharon Christa McAuliffe宇宙飛行士、Gregory Jarvis宇宙飛行士、Judith A. Resnik宇宙飛行士(Credit: NASA)】
1986年1月28日、ケネディ宇宙センター39B射点を飛び立ったスペースシャトル「Challenger(チャレンジャー)」。この後、発射から73秒後に空中分解し、搭乗していた7名の宇宙飛行士が亡くなった(Credit: NASA)
【▲ 1986年1月28日、ケネディ宇宙センター39B射点を飛び立ったスペースシャトル「Challenger(チャレンジャー)」。この後、発射から73秒後に空中分解し、搭乗していた7名の宇宙飛行士が亡くなった(Credit: NASA)】

スペースシャトル計画では2003年2月1日にも、STS-107ミッションのスペースシャトル「Columbia(コロンビア)」が大気圏再突入時に空中分解し、コマンダーのRick D. Husband(リック・ハズバンド)宇宙飛行士以下7名が亡くなっています。打ち上げ時に外部燃料タンクから剥がれた断熱材がコロンビアの左主翼前縁に衝突し、耐熱タイルを損傷させたことが原因とされています。

また、1967年1月27日には、翌2月の打ち上げを目指していた「Apollo 1(アポロ1号)」の地上試験中に船内で火災が発生し、船長のVirgil I. “Gus” Grissom(ガス・グリソム)宇宙飛行士以下3名が亡くなる事故が起きました。

STS-107ミッションのクルー。前列左から: Rick D. Husband宇宙飛行士、Kalpana Chawla宇宙飛行士、William C. McCool宇宙飛行士。後列左から: David M. Brown宇宙飛行士、Laurel B. Clark宇宙飛行士、Michael P. Anderson宇宙飛行士、Ilan Ramon宇宙飛行士(Credit: NASA)
【▲ STS-107ミッションのクルー。前列左から: Rick D. Husband宇宙飛行士、Kalpana Chawla宇宙飛行士、William C. McCool宇宙飛行士。後列左から: David M. Brown宇宙飛行士、Laurel B. Clark宇宙飛行士、Michael P. Anderson宇宙飛行士、Ilan Ramon宇宙飛行士(Credit: NASA)】
Apollo 1(アポロ1号)のクルー。左から: Edward H. White II宇宙飛行士、Virgil I. "Gus" Grissom宇宙飛行士、Roger B. Chaffee宇宙飛行士(Credit: NASA)
【▲ Apollo 1(アポロ1号)のクルー。左から: Edward H. White II宇宙飛行士、Virgil I. "Gus" Grissom宇宙飛行士、Roger B. Chaffee宇宙飛行士(Credit: NASA)】

宇宙飛行士がミッション中に命を落とす事故は旧ソ連でも起きていて、「Soyuz 1(ソユーズ1号)」と「Soyuz 11(ソユーズ11号)」で合計4名の宇宙飛行士が帰還時に亡くなっています。

また、民間企業による有人宇宙飛行も行われるようになった近年では、2014年10月にアメリカ企業Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の宇宙船「VSS Enterprise(エンタープライズ)」が試験飛行中に墜落し、搭乗していたクルー2名が死傷する事故が起きました。

緊急脱出や早期帰還などの出来事は近年にも

宇宙飛行士が命を落とすことはなかったものの、重大な出来事は他にも起きています。2018年10月にはロシアの宇宙船「Soyuz MS-10(ソユーズMS-10)」が打ち上げに失敗し、アメリカとロシアの宇宙飛行士2名が緊急脱出して生還する出来事がありました。

2025年11月にはCSS(中国宇宙ステーション)で宇宙船「神舟20号」の窓に亀裂が生じているのが見つかり、同船のクルー3名は「神舟21号」に乗り換えて帰還するとともに、神舟21号でCSSに到着したクルーのために別の宇宙船「神舟22号」が無人で打ち上げられました。

また、2026年1月にはISS(国際宇宙ステーション)に滞在中だったNASAの有人飛行ミッション「Crew-11(クルー11)」の宇宙飛行士1名に医療上の事案が発生し、予定を1か月ほど繰り上げて帰還する出来事もありました。

アメリカと中国がそれぞれの有人月探査計画を推進する中、地球低軌道では民間企業による有人飛行ミッションが行われたり、商業宇宙ステーションの建設計画が進められたりしています。訓練を受けた一部の人々しか訪れることができなかった宇宙空間も、そう遠くないうちに、より幅広い人々が活躍する場へと変化していくことでしょう。

人類初、民間初という様々なマイルストーンが打ち立てられていくその先には、いつの日か起こり得る事故やトラブルが待ち受けています。リスクを可能な限り低く抑えるためにも、過去の出来事を決して忘れず、教訓を学び取らねばならない。NASAの追悼の日は、その思いを新たにする日となっています。

アーリントン国立墓地で言葉を交わすNASAの歴代長官たち。左から: Jared Isaacman長官、Bill Nelson元長官、Charles Bolden元長官、Sean O'Keefe元長官(Credit: NASA/Keegan Barber)
【▲ アーリントン国立墓地で言葉を交わすNASAの歴代長官たち。左から: Jared Isaacman長官、Bill Nelson元長官、Charles Bolden元長官、Sean O'Keefe元長官(Credit: NASA/Keegan Barber)】

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典