米企業Vantorが自社の衛星で撮影した米印の地球観測衛星「NISAR」の画像を公開

こちらは、アメリカ企業Vantorが日本時間2025年10月16日にSNSのXで投稿した画像。

写っているのは、NASA=アメリカ航空宇宙局とISRO=インド宇宙研究機関が共同開発した地球観測衛星「NISAR(NASA-ISRO Synthetic Aperture Radar)」です。

Vantor(旧Maxar Intelligence)が自社の衛星で撮影し、2025年10月に公開した地球観測衛星「NISAR」の画像(Credit: Vantor)
【▲ Vantor(旧Maxar Intelligence)が自社の衛星で撮影し、2025年10月に公開した地球観測衛星「NISAR」の画像(Credit: Vantor)】

2025年7月にインドの「GSLV」ロケットで打ち上げられたNISARには、昼夜や天候によらず地上を観測できるSAR(合成開口レーダー)が搭載されています。打ち上げ翌月の8月には直径12mの反射鏡の完全展開に成功し、9月には観測画像が初公開されました。

Vantorが公開したNISARの画像には、腕のような折りたたみ式のブームと、その先端に取り付けられた巨大な反射鏡がはっきりと捉えられています。

地球観測衛星「NISAR」のCGイメージ(Credit: NASA)
【▲ 地球観測衛星「NISAR」のCGイメージ(Credit: NASA)】

2025年10月1日にMaxar Intelligenceから社名を変更したVantorは、自社の地球観測衛星を用いて取得した非地球画像(NEI: non-Earth Imagery)を提供するサービス「WorldView Space」を運用しています。

提供される画像の解像度は最良で2.5cm、撮影対象は高度200km~1000kmのあらゆる傾斜角の軌道を周回する物体とされています。

これまでにもVantorは(社名変更前も含めて)自社の衛星で撮影したISS=国際宇宙ステーションやCSS=中国宇宙ステーション「天宮」の画像を公開してきました。

こうした画像は宇宙領域把握(SDA: Space Domain Awareness)はもとより、展開機構の状況や機体が向いている方向といった、宇宙機の状態の確認や評価などに利用できるとVantorはアピールしています。

関連画像・映像

Vantor(旧Maxar Intelligence)が自社の衛星で撮影し、2025年7月に公開したCSS=中国宇宙ステーション「天宮」の画像(Credit: Vantor)
【▲ Vantor(旧Maxar Intelligence)が自社の衛星で撮影し、2025年7月に公開したCSS=中国宇宙ステーション「天宮」の画像(Credit: Vantor)】
Vantor(旧Maxar Intelligence)が自社の衛星で撮影し、2025年7月に公開したISS=国際宇宙ステーションの画像(Credit: Vantor)
【▲ Vantor(旧Maxar Intelligence)が自社の衛星で撮影し、2025年7月に公開したISS=国際宇宙ステーションの画像(Credit: Vantor)】

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典