アメリカ航空宇宙局(NASA)は日本時間2022年6月26日、エクアトリアル・ローンチ・オーストラリア(ELA)が保有・運営するオーストラリアの商業宇宙施設「アーネム宇宙センター」から、科学観測用の弾道飛行ロケット「ブラックブラントIX」の打ち上げを実施しました。搭載されていた装置は高度約300kmに運ばれて科学観測を行った後に無事地上へ帰還したことを、NASAやELAが報告しています。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
■ブラックブラントIX(Suborbital Rocket Missions)
打ち上げ日時:日本時間2022年6月26日23時30分【成功】
発射場:アーネム宇宙センター(オーストラリア)
ペイロード:XQC(X-ray Quantum Calorimeter Experiment)
搭載されていたXQCはウィスコンシン大学のX線観測装置で、今回が7回目のフライトとなります。NASAによると、XQCのエネルギー分解能は過去のフライトと比べて今回は50倍に向上しており、北半球では部分的にしか見えない領域からのX線放射を観測するために打ち上げられたとのことです。
ELAによれば、完全な商業宇宙施設からNASAがロケットを打ち上げるのは今回が初めてのことだとされています。また今回は、アーネム宇宙センターから3回の打ち上げが予定されている科学観測ミッションの1回目となります。
なお、次回のアーネム宇宙センターからのブラックブラントIX打ち上げは、日本時間2022年7月4日夜に予定されており、地球から最寄りの恒星「アルファ・ケンタウリA/B」を紫外線で観測する装置「SISTINE」が搭載されます。
Source
- Image Credit: NASA, ELA
- NASA - NASA Sounding Rocket Mission Seeks Source of X-rays Emanating From Inner Galaxy
- ELA - プレスリリース
文/sorae編集部 速報班