
JAXA=宇宙航空研究開発機構は2025年9月18日付で、金星探査機「あかつき(PLANET-C)」の運用を終了したことを発表しました。
「あかつき」は2024年4月末の運用で姿勢維持の精度が高くない制御モードが長く続いたことをきっかけに、通信の確立ができなくなったことが発表されていました。

日本時間2010年5月21日に「H-IIA」ロケット17号機で打ち上げられた「あかつき」は、同年12月7日に金星周回軌道へ投入するための主エンジン噴射が行われたものの、エンジンのノズルが損傷したことで軌道投入に一度失敗しました。
その5年後の2015年12月9日、「あかつき」は損傷した主エンジンに代わって姿勢制御エンジンを長時間噴射することで、金星周回軌道に入ることに成功。8年以上にわたって金星大気の観測を行ってきました。
金星の大気では、自転速度に対して最大で60倍も速く流れる「スーパーローテーション」が生じていることが知られています。これほど速い流れが維持される理由は、発見から半世紀以上にわたって謎のままでした。
「あかつき」の観測データからは、大気が昼側で加熱され夜側で冷えることで生じる「熱潮汐波」によってスーパーローテーションが加速・維持されていることが明らかになるなど、金星の大気に関する重要な知見がもたらされました。
JAXAによると、「あかつき」との通信復旧に向けて運用を行ってきたものの、計画的な通信の復旧が見込めないことと、打ち上げ後4年半という設計寿命を超えた後期運用の段階に入っていることを踏まえ、運用を終了することになったということです。

文・編集/sorae編集部
関連記事
- JAXA金星探査機「あかつき」通信途絶 2015年12月から金星を周回中
- 夜間も含む金星の大気循環を解明 JAXA探査機「あかつき」の観測より
- JAXAの探査機「あかつき」を利用、金星大気の広範囲に渡る構造を初解明






















