三菱重工業は、10月26日午前11時19分23秒(日本時間)に種子島宇宙センターから準天頂衛星「みちびき」初号機後継機を打ち上げることに成功しました。

H-IIAロケット44号機に搭載された「みちびき」は打ち上げから28分6秒後に正常に分離し、所定の軌道に投入されました。10日ほどかけて準天頂軌道へ到達し、機器の調整やテストなどを行ったのち、2022年3月から運用が開始される見込みです。

種子島宇宙センターから打ち上げられる「みちびき」初号機後継機を搭載したH-IIAロケット(Credit: MHI Twitter)

【▲ 種子島宇宙センターから打ち上げられる「みちびき」初号機後継機を搭載したH-IIAロケット(Credit: MHI Twitter)】

準天頂衛星「みちびき」は、内閣府が運用する衛星測位システムを構築する衛星で、2010年に初号機、2017年に2〜4号機が打ち上げられています。初号機後継機は「みちびき」初号機が既に設計寿命の10年を超えているために、2号機及び4号機を元にして開発されました。

準天頂衛星「みちびき」初号機後継機のイメージ図(Credit: みちびきホームページ)

【▲ 準天頂衛星「みちびき」初号機後継機のイメージ図(Credit: みちびきホームページ)】

衛星は日本上空の滞在時間が長い八の字型の「準天頂軌道」に投入されました。アメリカが運用するGPSとも互換性があり、都市部や山間部における位置精度の向上につなげることが可能です。内閣府によると、2023年までに7機体制を目指しているということです。この運用形態で常に日本上空に4機の衛星が滞在し、「みちびき」だけで測位ができるようになります。

今や衛星測位システムは、私たちの生活になくてはならないものとなっています。個人レベルから産業レベルまで活用されています。「みちびき」もカーナビや位置情報サービスだけでなく、農業、建設、スポーツなどの分野で使用されています。カーナビなどの正確な位置情報を必要とする機器では、車線レベルの変更にまで対応しており、自動運転の技術に使われることが望まれています。また農業分野では、農機の自動走行や隊列走行などを行うことが可能で、人手不足の解決策として期待されています。さらに「みちびき」は災害時に情報発信を行ったり、被災者情報を伝えるサービスにも使用されます。

 

参考記事:H-IIAロケット44号機の打ち上げは10月26日に1日延期「みちびき」初号機後継機を搭載(2021.10.25)
H-IIAロケット44号機の打ち上げを10月25日に実施予定 準天頂衛星「みちびき初号機後継機」搭載(2021.9.14)

Image Credit: MHI Twitter
Source; MHI/みちびき公式ホームページ
文/出口隼詩

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