
(引用元:NASA APOD)
今回は、ふたご座の方向にある惑星状星雲「NGC 2392」を紹介します。
【関連リンク】今日の宇宙画像:NASAや各国宇宙機関が公開した魅力的な画像を毎日紹介
NGC 2392は地球から約5000光年先に位置しており、1787年に天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。地上からの観測ではパーカーのフードを被った人の顔のように見えることから、長らく「エスキモー星雲(Eskimo Nebula)」の愛称で親しまれてきました。
しかし、近年、NASAなどの宇宙機関は「多様性・公平性・包括性(DE&I)」の方針に基づき、2020年8月以降はこの愛称の使用を控えています。現在はカタログ番号である「NGC 2392」と呼ぶことが推奨されています。

太陽と似た運命をたどる星の最期
太陽のような低〜中質量の恒星は、超新星爆発を起こさずにその生涯を終えると考えられています。 恒星は赤色巨星へと進化する過程で外層のガスを宇宙空間へ放出し、やがて中心に残った高温の核(コア)が周囲のガスを照らし出すことで、美しい「惑星状星雲」として輝き始めます。
NGC 2392も、こうした過程を経て形作られた天体であり、星雲としての年齢はおよそ1万年と推定されています。
画像の中心部に見える明るい星が、かつて太陽のように輝いていた恒星の成れの果てである「白色矮星(またはその前段階)」です。この中心星から放たれる強い放射や恒星風が、内側の複雑なフィラメント状の構造を際立たせています。
NGC 2392を形作るガスは、少し前まで恒星そのものの一部でした。数十億年にわたって星の内部で核融合を担ってきた物質が、星の最期とともに宇宙へ解き放たれ、やがて次の世代の星や惑星の材料になっていきます。
さらに外側には、放射状に伸びる筋状の構造(cometary knots)も見られます。惑星状星雲の形は非常に多様ですが、こうした外縁部の構造が具体的にどのようなメカニズムで形成されたのかについては、今も研究が続けられています。
このような星雲は、約50億年後に太陽が迎える未来を想像する上でも興味深い存在です。私たちの太陽もいずれ外層を放出し、遠い宇宙のどこかから観測すれば、NGC 2392のように美しい姿を見せているのかもしれません。
文・編集/sorae編集部
関連記事
- 惑星状星雲「環状星雲」に鉄の棒状構造が存在していた 長さ約4万天文単位
- 雲を抜け出た光に照らされる原始惑星状星雲「卵星雲」 ハッブル宇宙望遠鏡が観測
- クラゲのような不思議な姿 “カシオペヤ座”の惑星状星雲「HFG 1」
- 最期を迎えた恒星が咲かせた“こいぬ座”の惑星状星雲 超大型望遠鏡VLTが観測
























