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星々を生み出し消えていく星形成領域の運命 輝線星雲「NGC 6188」と散開星団「NGC 6193」

こちらは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の「VST(VLTサーベイ望遠鏡)」で観測した輝線星雲「NGC 6188」。さいだん座の方向、地球から約4000光年先にあります。

ESO(ヨーロッパ南天天文台)の「VST(VLTサーベイ望遠鏡)」で観測した輝線星雲「NGC 6188」(Credit: ESO)
【▲ ESO(ヨーロッパ南天天文台)の「VST(VLTサーベイ望遠鏡)」で観測した輝線星雲「NGC 6188」(Credit: ESO)】

明るい星団を取り囲むように、明るいオレンジ色と暗色の雲が入り組みながら広がる様子は、どこか生命の営みのようなものを感じさせます。

散開星団を包むような輝線星雲の輝き

輝線星雲とは、若い大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスが赤い光を放っている星雲のことで、電離水素領域(HII領域)とも呼ばれています。この場所はガスと塵(ダスト)でできた分子雲から新たな星が生み出される星形成領域であり、“星のゆりかご”とも表現されます。

画像の中央で輝くのは、30個ほどの明るい星々で構成された散開星団「NGC 6193」です。同時期に形成された数十~数百個の若い星がゆるく集まった星の集団のことで、有名な「プレアデス星団(すばる、昴)」も散開星団のひとつです。

生み出した星によって消滅していく星形成領域

ESOによると、NGC 6193の大質量星から放たれる強力な紫外線と恒星風は周辺から分子雲を吹き払うと同時に、断片化した分子雲の中で新たな星が誕生するのを促してもいるとみられています。

大質量星の活動や超新星爆発によって侵食され続けていくため、電離水素領域の寿命は宇宙の歴史からすれば短い数百万年程度。実際に星の材料となるのは1割程度で、残りの物質は星間空間に吹き飛ばされてしまうといいます。

その過程にあるNGC 6188では、侵食された分子雲が柱状の構造を形成する初期の段階にある兆候が見出されており、将来的には「創造の柱」で有名な「わし星雲(M16)」に似た姿になる可能性もあるということです。

冒頭の画像はESOから2015年3月11日付で公開されたもので、ESOの公式SNSアカウントが2026年8月20日に改めて紹介しています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典