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こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した棒渦巻銀河「NGC 5068」。おとめ座の方向、地球から約2000万光年先にあります。

ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が観測した棒渦巻銀河「NGC 5068」(Credit: NASA/Catholic University of America)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した棒渦巻銀河「NGC 5068」(Credit: NASA, ESA, R. Chandar (University of Toledo), and J. Lee (Space Telescope Science Institute); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))】

NGC 5068は1785年3月10日に天文学者William Herschel(ウィリアム・ハーシェル)によって発見されました。NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、直径は約4万5000光年と推定されています。

老いた星が集まる中心部と“星のゆりかご”の輝き

棒渦巻銀河とは、中心部に棒状の構造を持つ渦巻銀河のこと。画像では上側中央から左下へ向かって伸びる明るい白色の帯として見えています。NASAによれば、ここには年老いた星々が密集しています。

一方、棒状構造の周辺や画像の下半分では、渦巻腕(渦状腕)に沿うようにして、まるで咲き誇る花のようなピンク色の斑模様が幾つも輝いています。これらは高温の星が放つ紫外線によって電離した水素ガスが光を放っている場所で、電離水素領域やHII(エイチツー)領域と呼ばれています。

中心部に集まる老いた星とは対照的に、紫外線を放っているのは若い大質量星であり、こうした電離水素領域は“星のゆりかご”とも表現される星形成領域が存在することを示しています。

ハッブルとウェッブが解き明かす星形成の現場

NASAによると、NGC 5068は表面輝度(見かけの面積あたりの明るさ)が比較的低く、人間の目では見えにくい銀河です。可視光線だけでなく近赤外線や紫外線も捉えることができるハッブル宇宙望遠鏡は、電離水素領域を生み出す強力な紫外線を放っている若く高温の星々を探すことができます。

こうした銀河を観測しているのは、ハッブル宇宙望遠鏡ばかりではありません。2023年6月には、塵(ダスト)に遮られにくい赤外線での観測に特化したジェームズ・ウェッブ(James Webb)宇宙望遠鏡の観測データを使って作成されたNGC 5068の画像も公開されています。

ウェッブ宇宙望遠鏡による観測は、近傍銀河のガスが集まった領域における星形成を理解する取り組みの一環として実施されました。若い星々の輝きを捉えるハッブル宇宙望遠鏡と、塵の奥を探ることができるウェッブ宇宙望遠鏡。双方のデータを組み合わせることで、星が生まれる現場をより深く理解するための研究が進められています。

冒頭の画像はNASAから2023年10月6日付で公開されました。

本記事は2023年10月29日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典