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重なり合う星と銀河の輝き ハッブル宇宙望遠鏡が観測した棒渦巻銀河「NGC 2608」

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した棒渦巻銀河「NGC 2608」。かに座の方向、地球から約6400万光年先にあります。

ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が観測した棒渦巻銀河「NGC 2608」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Riess et al.)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した棒渦巻銀河「NGC 2608」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Riess et al.)】

明るい中心部を取り巻く渦巻腕(渦状腕)はやや不明瞭で、先端に向かうにつれて何本にも分かれているように見えます。

アメリカの天文学者Halton Arpが1966年にまとめた特異な形態を持つ銀河のカタログ「Atlas of Peculiar Galaxies(アープ・アトラス)」では、裂けた渦巻腕(split arms)を持つ銀河のグループのひとつ「Arp 12」として収録されています。

前後で輝く天の川銀河の恒星と遠方の銀河

NGC 2608の中心部すぐ上には、明るい光点が写っています。これは偶然NGC 2608と重なって見えている天の川銀河の恒星(※)で、針状の光は回折スパイクと呼ばれるものです。

※…Gaia DR3 704561248580492672。

回折スパイクは望遠鏡の構造によって光が回折する(わずかに曲がる)ことで生じる光学的な特徴で、ハッブル宇宙望遠鏡の場合は、副鏡を支える支柱によって十字形の回折スパイクが現れます。

その一方で、NGC 2608の周囲に散らばる光点の多くには回折スパイクが現れていません。これらはNGC 2608よりもさらに遠方にある銀河で、よく見れば渦巻構造を持つものも幾つか写っています。

画像の幅は、満月の視直径の14分の1くらい(視野は2.24×2.00分角)。人の目で見ればとても狭い夜空の一角を捉えたハッブル宇宙望遠鏡は、光の速さでさえ何億年、何十億年もかかる宇宙の広大さを実感させてくれます。

冒頭の画像はESA(ヨーロッパ宇宙機関)のESA/Hubbleから2020年6月8日付で公開されました。

本記事は2020年6月18日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典