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若き星々が彫り刻む星形成領域 ハッブル宇宙望遠鏡が観測した「NGC 2467」

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した星形成領域「NGC 2467」。とも座(艫座)の方向、地球から約1万3000光年先にあります。

ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が観測した星形成領域「NGC 2467」(Credit: NASA, ESA and Orsola De Marco (Macquarie University))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した星形成領域「NGC 2467」(Credit: NASA, ESA and Orsola De Marco (Macquarie University))】

色鮮やかなガス雲を背景に、暗い塵(ダスト)の雲がシルエットとして浮かび上がり、その間隙からは青く高温の若い星々が宝石のように輝いています。ガスや塵と輝く星々、混沌と美しさが同居する光景です。

NGC 2467は、水素ガスや塵で構成されている巨大な分子雲であり、新しい星々を次々と生み出す“星のゆりかご”と呼べる領域です。ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると、明るく輝き始めた星がある一方で、まだ厚い雲の中で成長を続けている星も数多く潜んでいます。

星々が彫り刻む宇宙の芸術作品

どうしてNGC 2467は、これほどまでに複雑で変化に富んだ姿をしているのでしょうか。ESAによれば、雲の中で最近形成された高温の若い星々が、その原因となっています。これらの星々から放射される紫外線が、周囲の水素を電離させて赤く発光させると同時に、ガスや塵を少しずつ吹き払い、雲の形を変化させているのです。

特に大きな影響を与えているのが、画像の中央やや上部にぽつんと存在する、青く輝く単一の大質量星です。この星からの強烈な放射が周囲の領域から物質を吹き飛ばすことで、圧縮されて密度が高くなった領域において、さらに次世代の星々が形成され始めるという連鎖的なプロセスが起きているといいます。

こうした巨大な星形成領域は、遠方の渦巻銀河などでも観測されています。天の川銀河にあるNGC 2467で星が形成されるプロセスを詳細に解明することは、遠く離れた他の銀河までの距離や化学組成を調べる際の重要な手がかりとなるのです。

船にちなんだ恐ろしげな別名も

NGC 2467はその様子から、マンドリルにたとえて「マンドリル星雲(Mandrill nebula)」とも呼ばれますが、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が2018年にこの領域の画像を公開した際には、海賊旗にちなんだ「スカル・アンド・クロスボーン星雲(Skull and Crossbones Nebula)」という別の呼び名が紹介されています。

実は、NGC 2467があるとも座は、もともとは「アルゴ座」または「アルゴ船座」と呼ばれる古い星座の一部でした。アルゴ座は現在の88星座が定められた際に3つに分割されたのですが、この時に「りゅうこつ座」や「ほ座」とともに「とも座」が誕生したのです。少し恐ろしげですが、船に関係する星座らしい呼び名と言えます。

冒頭の画像はESA/Hubbleから2010年7月13日付で公開されたもので、ESAの関連公式Xアカウントが2026年7月16日に改めて紹介しています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典