
こちらは、ブランコ4m望遠鏡(セロ・トロロ汎米天文台)の「DECam(ダークエネルギーカメラ)」で観測した棒渦巻銀河「NGC 1365」。
ろ座(炉座)の方向、約7400万光年先にあります。

中心部を貫く棒状構造と、その両端から伸びる優雅な渦巻腕(渦巻腕)、渦巻腕に沿って広がる暗い塵の帯がはっきりと見える、非常に整った姿の棒渦巻銀河です。
また、NGC 1365の棒状構造は中央付近にもう1つの小さな棒状構造が埋め込まれたように存在していますが、この画像でもひときわ明るい部分として捉えられています。
天の川銀河の理解を深める“見事な姿”の棒渦巻銀河
NGC 1365をはじめとする棒渦巻銀河は、めずらしい存在ではありません。私たちが住む天の川銀河をはじめ、渦巻銀河のうち約2分の3は棒状構造を持つとされています。
こうした棒状構造は銀河全体における星形成活動に影響を与え、銀河に含まれるガスを銀河円盤から中心部へと導く役割を果たしていると考えられています。中心部に運ばれたガスは新しい星を生み出す材料になったり、超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)が取り込んだりすることになります。
天文学者にとってNGC 1365は単に美しいだけでなく、天の川銀河の性質を理解するための重要な研究対象でもあるのです。
この画像は、2013年から2019年にかけて実施された宇宙の加速膨張の謎に迫るプロジェクト「DES(Dark Energy Survey=ダークエネルギー・サーベイ)」の一環として、DECamを使って取得したデータを使って作成されました。DECamはダークエネルギー(暗黒エネルギー)の研究を主な目的として開発された観測装置で、画素数は約520メガピクセル、満月約14個分の広さ(3平方度)を1回の観測で捉えることができます。
冒頭の画像はNOIRLab(アメリカ国立光学・赤外天文学研究所)から2021年7月7日付で公開されました。
本記事は2021年8月3日公開の記事を再構成したものです。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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