
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
今回紹介するのは、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ(ACS)と、チリのセロ・トロロ汎米天文台に設置されたダークエネルギーカメラ(DECam)のデータをもとに作成された、南天の「とけい座」の方向に見える銀河たちの画像です。ESA(ヨーロッパ宇宙機関)から2023年12月25日付で公開されました。
画像の右側で大きな存在感を放っているのが棒渦巻銀河「NGC 1356」です。そのすぐ左に寄り添うように写っているのが渦巻銀河「LEDA 95415」、上方に小さく見えるのが渦巻銀河「LEDA 467699」、そして画像左端に少し離れて写っているのが渦巻銀河「IC 1947」です。
この4つの銀河の中で地球から一番近い銀河はどれでしょうか?

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)が公開している情報によると、それぞれの距離は以下の通りです。
- NGC 1356:約5億5000万光年
- LEDA 95415:約8億4000万光年
- LEDA 467699:少なくとも約9億光年
- IC 1947:約5億光年
正解は、一番離れて見える左端のIC 1947でした。
位置関係について補足
画像を見ると、NGC 1356のすぐ左にあるLEDA 95415と、上方に見えるLEDA 467699は、どちらもNGC 1356の近くにある小さな伴銀河のように見えます。しかし実際には、NGC 1356が地球から約5億5000万光年先にあるのに対し、LEDA 95415は約8億4000万光年先、LEDA 467699は少なくとも約9億光年先にあるとされており、奥行き方向では大きく離れています。
一方、画像左端のIC 1947とNGC 1356は、画像の見かけ上では大きく離れているように見えます。しかし、ESAによると、画像上での見かけの離れ具合を実際の距離に換算すると、横方向の間隔は40万光年未満とされています。見た目では離れていても、立体的に捉えた場合、NGC 1356とLEDA 95415よりも近い位置関係にあることになります。
私たちが目にする天体画像では、銀河どうしの見かけの位置関係は分かっても、奥行き方向の距離までは直接読み取れません。実際の距離は、詳細な観測によって初めて明らかになります。NGC 1356とLEDA 95415の見かけの近さは、かつて相互作用銀河の候補としてカタログ(AMC 0329-502)に登録されたほどでした。その後の観測で両者は遠く離れていることが判明し、「見かけだけのペア」として本当に相互作用している銀河との比較研究に活用されています。
編集/sorae編集部
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