
こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した惑星状星雲「NGC 2899」。ほ座の方向、地球から約4500光年先にあります。

太陽のような比較的軽い恒星(質量は太陽の8倍以下)は、晩年を迎えると主系列星から赤色巨星に進化し、外層からガスや塵を放出するようになります。やがてかつての中心核(コア)だけが中心星として残る頃になると、放出されたガスが中心星から放射された紫外線によって電離して光を放ち、惑星状星雲として観測されるようになります。
美しい蝶が羽を広げた姿にも見えるNGC 2899も、そんな惑星状星雲のひとつです。ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると、青い空間の中央付近で並ぶ2つの明るい星、そのすぐ右下にある小さな青い星が、この星雲を作り出した恒星の中心核だった中心星です。その温度は約2万2000℃にも達するといいます。
連星系が作り出した複雑な構造
惑星状星雲の中には均整の取れた球状の形をしたものもあれば、砂時計のような双極性の形をしているものもあります。ESAによると、NGC 2899の中心星には2つの伴星が存在する可能性があるといい、互いに影響を及ぼし合うことでガスの流れ方を左右した結果、蝶のような形の星雲が形成されたとみられています。
また、2026年に発表された研究によると、現在観測されているNGC 2899はガスが放出されてから約7600年が経過した姿だとみられています。チリの電波望遠鏡群ALMA(アルマ望遠鏡)を使用したこの研究では、星雲の中心付近に分布する分子ガスが複数の塊に分かれた状態になっていることが明らかになるなど、NGC 2899の特徴に迫る成果が得られています。
冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ35周年を記念してESA/HubbleやNASA(アメリカ航空宇宙局)から2025年4月23日付で公開された4つの画像のひとつで、ESAのハッブル宇宙望遠鏡公式Xアカウントが2026年8月13日に改めて紹介しています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- ESA/Hubble - Planetary nebula NGC 2899
- Moraga Baez et al. - Probing the Molecular Hearts of Extreme Bipolar Planetary Nebulae with ALMA (The Astrophysical Journal)























