今年1月25日に、「機械的な制御異常が発生した」と報じられた中国の月探査車「玉兎号」について、中国国営の新華社通信は3月1日、太陽電池パドルとマストを探査機の中に折り畳むためのモーターを駆動、制御する回路に問題が発生していると発表した。
これは嫦娥計画の責任者である葉培建氏が、同紙に対して明かしたものだ。
玉兎号が極寒の月の夜を正常に越えるためには、まずカメラが搭載されているマストを折り畳み、そして2つある太陽電池の1つを、その上から蓋をするように折り畳んで、内部に搭載されたヒーターを使って保温し、その寒さから耐える。また、もう1つの太陽電池は、夜明けと同時に充電ができるよう、太陽が昇ってくる方向に向けて固定されることになっている。
記事の中では、2度目の夜からの復帰が予定より2日遅れたことも明かされており、これはつまり、太陽が昇ってくる方向に向けて太陽電池を固定しておくことができず、充電し、再起動するまでに時間がかかってしまった結果だと解釈できよう。
玉兎号はこの故障にもかかわらず、2度目の夜から目覚め、また観測機器は正常であったことから、探査活動を続行した。しかし、この故障を解決できないまま、2月22日の午後に3度目の夜に突入した。
次に嫦娥三号がいる月の「雨の海」に日が昇るのは3月10日だ。しかし月の夜は最低で-180度にもなり、玉兎号が2度目の夜の時のように、再び復帰できるという確証はない。新華社通信や葉氏もまた、玉兎号の将来については語っていない。
「私たちは玉兎号が再び目覚めるのを願っています」と、葉氏は述べた。
■玉兔已完成“既定动作”——叶培建回应“玉兔关切”-新华网
http://news.xinhuanet.com/politics/2014-03/01/c_119561976.htm