ヴァージン・オービット「ランチャーワン」3回目の打ち上げ成功! 7機の衛星を搭載
空中発射母機「コズミック・ガール」から切り離されたランチャー・ワン(Credit: Virgin Orbit)

米ヴァージン・オービットは現地時間1月13日、同社の空中発射ロケット「ランチャーワン(Launcher One)」の打ち上げに成功しました。今回の打ち上げは「Above the Clouds」ミッションと呼ばれており、7機の衛星の打ち上げと軌道投入が行われました。

ランチャーワンにはアメリカ国防総省のSpace Test Program(STP)に採用された4機の衛星をはじめ、地球観測会社Spireの衛星1機、ポーランドに本社をおくSatRevolutionの衛星1機も軌道への投入に成功したとのこと。これらの人工衛星は主に技術実証を目的としており、宇宙ベースの通信やスペースデブリの検知、宇宙空間における誘導や推進に関する実験が実施されます。

空中発射母機「コズミック・ガール」から切り離されたランチャー・ワン(Credit: Virgin Orbit)
【▲空中発射母機「コズミック・ガール」から切り離されたランチャー・ワン(Credit: Virgin Orbit)】

ランチャーワンはボーイング747-400を改修した空中発射母機「コズミックガール(Cosmic Girl)」に搭載され、アメリカ太平洋標準時2022年1月13日13時39分にカリフォルニア州のモハーヴェ空港を離陸。太平洋上でコズミック・ガールから切り離された直後にエンジンを点火して上昇を開始したランチャーワンは、高度500km・軌道傾斜角45度の軌道に衛星を投入しました。

なお、ヴァージン・オービットによると、アメリカの西海岸からこの軌道に人工衛星が投入されたのは今回が初めてとされています。同社は発表において、地上に固定された発射台からの打ち上げでは軌道変更のための時間と推進剤を多く必要とする軌道であっても、空中発射型のランチャーワンであれば対応可能である点に言及しています。

エンジンから炎を出すランチャー・ワン(Credit: Virgin Oribit)
【▲エンジンから炎を出すランチャー・ワン(Credit: Virgin Oribit)】

ヴァージン・オービットは2021年1月と6月にもランチャーワンの打ち上げに成功しており、軌道に投入された衛星の数は26機に上ります。宇宙ビジネス専門誌のSpaceNewsによると、ヴァージン・オービットは今回の「Above the Clouds」ミッションを含め、2022年に6つのミッションを計画しているといいます。

なお、ヴァージン・オービットによると、ミッションの名前である「Above the Clouds」はアメリカのヒップホップデュオ「ギャング・スター」が発売した1998年のアルバム「モーメント・オブ・トゥルース」に収録された5番目の曲から名づけられました。同アルバムはヴァージン・グループのVirgin RecordとNoo Trybeから共同リリースされています。

 

Image Credit: Virgin Orbit
Source: Virgin Orbit/Space News
文/出口隼詩

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