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直径約11m・自転周期約5分 JAXA「はやぶさ2」拡張ミッション探査対象の小惑星は従来予想よりも小さい?

JAXA=宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ2」は、小惑星「Ryugu(リュウグウ)」で採取したサンプルを地球に持ち帰った後、次の探査対象となる小惑星を目指して拡張ミッション「はやぶさ2#」を続けています。

2026年7月には小惑星「Torifune(トリフネ)」を高速でフライバイ探査し、2031年7月には小さく高速で自転する小惑星「1998 KY26」に到着して接近探査を行う予定です。

アリカンテ大学(スペイン)のToni Santana-Rosさんたち研究チームは、この2つの小惑星のうち1998 KY26について、従来の予想と比べて直径はより小さく、自転周期はより短いことが明らかになったとする研究成果を発表しました。

従来予想と比べて直径は3分の1・自転周期は半分ほどに

小惑星「1998 KY26」にタッチダウンする小惑星探査機「はやぶさ2」のCGイメージ(Credit: ESO/M. Kornmesser. Asteroid: T. Santana-Ros et al. Hayabusa2 model: SuperTKG (CC-BY-SA))
【▲ 小惑星「1998 KY26」にタッチダウンする小惑星探査機「はやぶさ2」のCGイメージ(Credit: ESO/M. Kornmesser. Asteroid: T. Santana-Ros et al. Hayabusa2 model: SuperTKG (CC-BY-SA))】

1998 KY26はこれまで直径約30m・自転周期約11分とみられていましたが、研究チームは観測の結果、直径約11m・自転周期約5分と結論付けました。

「はやぶさ2」は太陽電池パドルを展開した状態で幅6mの大きさがあるので、1998 KY26の直径はその約2倍ということになります。直径約900mのRyuguと比較すれば80分の1程度です。

また、「はやぶさ2」は1998 KY26の周囲を飛行しながら観測するだけでなく、降下してタッチダウンを行う可能性もあります。従来の想定と比べてより小さく、より速く回転する1998 KY26への降下は、仮に実施されれば技術的にも大きなチャレンジとなります。

解析に使用されたデータは、ESO=ヨーロッパ南天天文台が運営するパラナル天文台の超大型望遠鏡(VLT)、NSF NOIRLab=アメリカ国立科学財団の国立光学・赤外天文学研究所が運営するジェミニ天文台のジェミニ南望遠鏡などの観測で取得された他に、1998年にNASA=アメリカ航空宇宙局の深宇宙ネットワーク(DSN)を構成するゴールドストーン局が取得したレーダー観測のデータも用いられています。

左:小惑星「Ryugu(リュウグウ)」、右:小惑星「1998 KY26」のサイズ比較図(Credit: ESO/M. Kornmesser. Asteroid models: T. Santana-Ros, JAXA/University of Aizu/Kobe University)
【▲ 左:小惑星「Ryugu(リュウグウ)」、右:小惑星「1998 KY26」のサイズ比較図(Credit: ESO/M. Kornmesser. Asteroid models: T. Santana-Ros, JAXA/University of Aizu/Kobe University)】

研究チームは、1998 KY26のアルベド(反射率)がこれまでの想定よりも高い(つまり明るい)約0.52で、X型小惑星のなかでもエンスタタイト(頑火輝石)に富むXe型小惑星に分類される可能性を指摘。構造解析の結果、従来の予想通り1つの岩塊である可能性はあるものの、瓦礫が集まったラブルパイル構造である可能性も排除できなかったとしており、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による追加観測に期待を寄せています。

「10mクラスの小惑星が間近で観測されたことはまだありませんから、それがどのような姿をしているのかは全く予想できないのです」(Santana-Rosさん)

今回発表された1998 KY26のサイズは、2013年2月にチェリャビンスク隕石としてロシアへ落下し被害をもたらした小惑星の、落下前のサイズよりもわずかに小さいとみられています。1998 KY26のように小さな小惑星はそれだけ数も多く、サイズは小さくても場合によっては地上に深刻な被害をもたらす可能性もあります。

天体衝突を事前に予測し、将来的には小惑星などの軌道を変えて災害を未然に防ぐための取り組み「プラネタリーディフェンス(惑星防衛、地球防衛)」の観点からも、1998 KY26の接近探査を行う「はやぶさ2」の拡張ミッションを通じて、“小さくても危険な天体”の理解が深まることが期待されます。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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