
2015年7月14日、NASA=アメリカ航空宇宙局の無人探査機「New Horizons(ニュー・ホライズンズ)」が、史上初となる冥王星のフライバイ探査を行いました。2025年7月14日は、New Horizonsの冥王星フライバイ探査から10年の節目です。
史上初の冥王星接近観測に成功
1930年に発見された冥王星は、太陽から平均約39.5天文単位(太陽から地球までの40倍ほど)離れている太陽系外縁天体のひとつです。
発見から長らく惑星に分類されていましたが、2006年に開催されたIAU=国際天文学連合の総会で惑星の定義が採択された際に、条件を満たさない冥王星は惑星から除外され、新たに設けられた準惑星に分類されました。
20世紀後半になると人類はロケットや人工衛星を実用化し、宇宙開発・宇宙探査を活発に行うようになりましたが、これほど遠い冥王星を間近で観測する機会は21世紀まで待たねばなりませんでした。

2006年1月に打ち上げられたNew Horizonsは、1年後の2007年2月に木星の重力を利用して軌道を変更。そこから冥王星までは8年にわたる飛行が必要でした。
2014年12月に長い休眠モードから目覚めたNew Horizonsは、冥王星への接近フェーズを2015年1月に開始。最接近の10日前にはセーフモードに切り替わってしまうトラブルにも見舞われましたが、3日後には科学観測に無事復帰します。
そして日本時間2015年7月14日20時49分、New Horizonsは冥王星の表面から約1万2500km上空を通過し、冥王星のフライバイ探査を初めて行った探査機となりました。





New Horizonsの観測を通じて、研究者は冥王星の直径が約2370kmであること、衛星のひとつCharon(カロン)の直径が約1208kmであることを確認。
また、Sputnik Planitia(スプートニク平原)と名付けられたハート型が印象的な窒素の氷床をはじめ、鋭い山々や対流で生じたとみられる氷床の模様など、多様な地形の特徴が捉えられました。
冥王星をフライバイしたNew Horizonsは、3年半後の2019年1月1日に太陽系外縁天体Arrokoth(アロコス)の接近観測を実施。その後も太陽系の外に向かって飛行を続けています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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