
NASA=アメリカ航空宇宙局は2025年7月10日付で、アメリカ企業SpaceX(スペースX)の有人宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」によるISS=国際宇宙ステーションへの有人宇宙飛行ミッション「Crew-11(クルー11)」の打ち上げ目標日時を発表しました。
発表によると、Crew-11の打ち上げは最短で日本時間2025年8月1日1時09分(アメリカ東部夏時間2025年7月31日12時09分)に実施される予定です。ISSへのドッキングはおよそ35時間後となります。
油井亀美也宇宙飛行士ら4名がISSへ

Crew-11のクルーはコマンダーを務めるNASAのZena Cardman宇宙飛行士、パイロットを務めるNASAのEdward Michael “Mike” Fincke宇宙飛行士、ミッションスペシャリストを務めるJAXA=宇宙航空研究開発機構の油井亀美也宇宙飛行士およびRoscosmos(ロスコスモス)のOleg Platonov宇宙飛行士です。
油井宇宙飛行士は大西卓哉宇宙飛行士や金井宣茂宇宙飛行士とともに、2009年にJAXAの宇宙飛行士候補として選抜。2011年7月にISS搭乗宇宙飛行士として認定された後、2015年7月~12月にかけて第44次/第45次長期滞在クルーの一員としてISSに約142日間滞在しました。今回のCrew-11ミッションは2回目の宇宙飛行となります。
NASAのFincke宇宙飛行士はISSの第9次長期滞在(2004年4月~10月)と第18次長期滞在(2008年10月~2009年4月)、スペースシャトル「Endeavour(エンデバー)」最後のミッションとなったSTS-134(2011年5月)で合計3回の宇宙飛行を経験したベテランです。ここ最近はNASAのCommercial Crew Program(コマーシャルクループログラム、商業乗員輸送計画)の下でCrew Dragonやアメリカの航空機大手Boeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」にも関わってきました。今回のCrew-11ミッションは4回目の宇宙飛行となります。
NASAのCardman宇宙飛行士とRoscosmosのPlatonov宇宙飛行士は今回が初の宇宙飛行です。なお、Cardman宇宙飛行士はもともと2024年9月打ち上げの「Crew-9」ミッションに割り当てられていましたが、打ち上げ時のクルーを4名から2名に減らす措置が講じられた際に割り当てが変更されていました。
なお、ISSでは現在JAXAの大西卓哉宇宙飛行士が「Crew-10」ミッションの一員として長期滞在を行っており、日本人宇宙飛行士が連続してISSで長期滞在を行うことになります。JAXAによると、Crew-10ミッションのクルー4名を乗せた宇宙船は2025年8月5日以降にISSを離脱する予定だということです。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - Busy Science Day on Station; Mission Updates for Ax-4 and SpaceX Crew-11
- NASA - NASA’s SpaceX Crew-11 Flight Crew News Conference (YouTube)
- JAXA - 国際宇宙ステーション長期滞在クルー油井亀美也宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-11)打上げ日時及び大西卓哉宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-10)帰還予定