
NASA=アメリカ航空宇宙局は2025年3月27日付で、アメリカ企業SpaceX(スペースX)の有人宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」による有人宇宙飛行ミッション「Crew-11(クルー11)」に割り当てられた4名の宇宙飛行士を発表しました。
Crew-11の1名はJAXA=宇宙航空研究開発機構の油井亀美也宇宙飛行士で、他の3名とともにISS=国際宇宙ステーションで長期滞在を行います。現在ISSでは「Crew-10」ミッションのJAXAの大西卓哉宇宙飛行士が長期滞在を行っており、日本人宇宙飛行士が連続してISSで長期滞在を行うことになります。
油井宇宙飛行士のISS滞在は2015年以来10年ぶり

Crew-11のクルーはコマンダーを務めるNASAのZena Cardman宇宙飛行士、パイロットを務めるNASAのEdward Michael “Mike” Fincke宇宙飛行士、ミッションスペシャリストを務めるJAXAの油井亀美也宇宙飛行士およびRoscosmos(ロスコスモス)のOleg Platonov宇宙飛行士です。NASAとJAXAによると、打ち上げは2025年7月以降の予定です。
油井宇宙飛行士は大西卓哉宇宙飛行士および金井宣茂宇宙飛行士とともに2009年にJAXAの宇宙飛行士候補として選抜。2011年7月にISS搭乗宇宙飛行士として認定された後、2015年7月~12月にかけて第44次/第45次長期滞在クルーの一員としてISSに約142日間滞在しました。今回のCrew-11ミッションは2回目の宇宙飛行となります。
NASAのFincke宇宙飛行士はISSの第9次長期滞在(2004年4月~10月)と第18次長期滞在(2008年10月~2009年4月)、スペースシャトル「Endeavour(エンデバー)」最後のミッションとなったSTS-134(2011年5月)で合計3回の宇宙飛行を経験したベテランです。ここ最近はNASAのCommercial Crew Program(コマーシャルクループログラム、商業乗員輸送計画)の下でCrew Dragonやアメリカの航空機大手Boeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」にも関わってきました。今回のCrew-11ミッションは4回目の宇宙飛行となります。
NASAのCardman宇宙飛行士とRoscosmosのPlatonov宇宙飛行士は今回が初の宇宙飛行です。なお、Cardman宇宙飛行士はもともと2024年9月打ち上げの「Crew-9」ミッションに割り当てられていましたが、打ち上げ時のクルーを4名から2名に減らす措置が講じられた際に割り当てが変更されていました。
文・編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - NASA Shares SpaceX Crew-11 Assignments for Space Station Mission
- JAXA - JAXA油井亀美也宇宙飛行士の 国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在 搭乗機決定