ISSへの民間有人宇宙飛行ミッション「Ax-4」は2025年5月以降に実施予定

アメリカ企業のAxiom Space(アクシオム・スペース)はISS=国際宇宙ステーションへの民間有人宇宙飛行ミッション「Ax-4」の宇宙船打ち上げを2025年5月以降に予定しています。2022年4月に実施された「Ax-1」以来、同社による有人宇宙飛行ミッションは今回が4回目です。

Axiom Spaceの民間有人宇宙飛行ミッション「Ax-4」のポートレート(Credit: Axiom Space)
【▲ Axiom Spaceの民間有人宇宙飛行ミッション「Ax-4」のポートレート(Credit: Axiom Space)】

コマンダーはベテランのWhitson宇宙飛行士 通算宇宙滞在時間は22か月以上

Ax-4はアメリカ企業SpaceX(スペースX)の「Crew Dragon(クルードラゴン)」宇宙船を使用する有人宇宙飛行ミッションです。アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられたCrew Dragon宇宙船はISSに向かい、クルーは最大14日間にわたって科学実験などに従事します。

Ax-4のクルーは4名です。ミッションコマンダーを務めるAxiom SpaceのPeggy WhitsonさんはNASA=アメリカ航空宇宙局の宇宙飛行士だった人物で、2023年5月に実施された「Ax-2」ミッションでもコマンダーを務めました。NASA在籍中はISSの長期滞在を3回行ったことがあり、今回のAx-4は5回目の宇宙飛行となります。Ax-2ミッションまでの通算宇宙滞在時間は675日間です。

40年以上ぶりに有人宇宙飛行を行う3か国の宇宙飛行士も参加

残る3名はいずれも今回が初の宇宙飛行です。インドのShubhanshu ShuklaさんはISRO=インド宇宙研究機関の宇宙飛行士で、同国初の有人宇宙飛行計画「Gaganyaan(ガガンヤーン)」の宇宙飛行士4名に選ばれています。ポーランドのSławosz Uznański-Wiśniewskiさんは2022年にESA=ヨーロッパ宇宙機関(欧州宇宙機関)の宇宙飛行士に選抜されました。ハンガリーのTibor Kapuさんは2023年に同国の宇宙飛行士プログラムに選抜されています。

インド、ポーランド、ハンガリーはかつて旧ソ連時代に「Soyuz(ソユーズ)」宇宙船で各国初の宇宙飛行士が飛行を行ったことがあります。今回のAx-4ミッションはインドにとって1984年以来、ポーランドにとって1978年以来、ハンガリーにとって1980年以来、いずれも2回目の有人宇宙飛行となります。

NASAはISSを目的地とした民間有人宇宙飛行ミッションについて、将来の商業宇宙ステーションの需要を先駆けて示すものであり、NASAの支援の下で地球低軌道と宇宙ステーションへのアクセスがより多くの人々・研究機関・企業に拡大すると同時に、民間企業が将来の宇宙ステーションに関する知見を得るのに役立つと述べています。

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典