スペースワン、打ち上げ延期した「カイロス」2号機の新たな打ち上げ予定日時を発表

スペースワン株式会社は2024年12月14日付で、同日の打ち上げを中止した「カイロス(KAIROS)」ロケット2号機の新しい打ち上げ予定日時を発表しました。

発表によると、カイロス2号機の新しい打ち上げ予定日は2024年12月15日で、打ち上げ予定時刻は11時0分0秒です。打ち上げ時間帯は11時0分0秒~11時20分0秒で、打ち上げ時刻はこの範囲内で再設定される可能性があります(打ち上げ予備期間は2024年12月16日~2024年12月27日)。

カイロス2号機は和歌山県のスペースポート紀伊から2024年12月14日11時0分0秒に打ち上げられる予定でしたが、射場上空の高度10km以上の風速が条件に適さなかったことから打ち上げは中止され、日程を変更することが同日10時30分頃に発表されていました。

カイロスとは

参考画像:スペースポート紀伊で日本時間2024年3月13日11時1分に発射された「カイロス」初号機。テレビ和歌山のライブ配信から(Credit: テレビ和歌山/スペースポート紀伊周辺地域協議会)
【▲ 参考画像:スペースポート紀伊で日本時間2024年3月13日11時1分に発射された「カイロス」初号機。テレビ和歌山のライブ配信から(Credit: テレビ和歌山/スペースポート紀伊周辺地域協議会)】

カイロスはスペースワンが開発した全長約18m・3段式の固体燃料ロケットで、ペイロードの軌道投入制度を高めるための液体推進系キックステージを備えています。同社は契約から打ち上げまでの「世界最短」と打ち上げ頻度の「世界最高頻度」を目指すとしています。

カイロス初号機は内閣衛星情報センターの「短期打上型小型衛星」を搭載して2024年3月13日に打ち上げられましたが、発射約5秒後にロケットの自律飛行安全システムによる飛行中断措置が自律的に行われて射場直上で爆発し、衛星の軌道投入は達成されませんでした。

スペースワンによると、初号機が飛行中断に至ったのは推進薬の燃焼速度を予測するプロセスに問題があったためだとされています。飛行再開フライトにあたる2号機以降の打ち上げに向けた対策として、問題があった推進薬燃焼速度の予測プロセスの改善と、初号機では厳しめに設定されていた飛行正常範囲の設定見直しを講じたと同社は発表しています。

カイロス2号機のペイロードは

カイロス2号機にはテラスペース株式会社の人工衛星「TATARA-1」、合同会社Space Cubics(スペースキュービクス)の超小型衛星「SC-Sat1」、台湾国家宇宙センター(TASA)の超小型衛星「PARUS-T1A」、株式会社ラグラポが支援する広尾学園の高校生によるプロジェクトで製作された超小型衛星「ISHIKI」、その他1機の超小型衛星(未公表)が搭載され、高度約500kmの太陽同期軌道に投入される予定です。

「カイロス」2号機に搭載されるペイロードの概要。スペースワンが2024年8月に開催した記者会見の配布資料から引用(Credit: スペースワン)
【▲ 「カイロス」2号機に搭載されるペイロードの概要。スペースワンが2024年8月に開催した記者会見の配布資料から引用(Credit: スペースワン)】
スペースワンの「カイロス」ロケット2号機に搭載されるペイロード。テラスペース株式会社の「TATARA-1」と、超小型衛星を収めた放出機構が写っている(Credit: スペースワン)
【▲ スペースワンの「カイロス」ロケット2号機に搭載されるペイロード。テラスペース株式会社の「TATARA-1」と、超小型衛星を収めた放出機構が写っている(Credit: スペースワン)】

 

Source

  • スペースワン - プレスリリース: カイロスロケット2号機の打上げ日の変更について

文・編集/sorae編集部

#スペースワン #カイロス #スペースポート紀伊