米航空宇宙局(NASA)は2015年10月23日、開発中の超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の詳細設計審査を完了したと発表した。

SLSはスペース・シャトルで使われていたロケット・エンジンやタンク、ブースターなどを流用、改修して開発され、「オリオン」有人宇宙船や、大きな質量の貨物の打ち上げに使われ、月や火星への有人宇宙飛行の実現を目指している。

エンジンの組み合わせなどによって打ち上げ能力を変えることができ、地球低軌道に70トンから、最大で130トンの打ち上げ能力をもつ。今回、詳細設計が終わったのは70トン級の「ブロックI」と呼ばれる構成である。

詳細設計が完了したことで、SLSは今後、実際に飛行する部品の製造などが始まり、2017年には製造された部品と設計とが適合しているかを審査する設計認証が予定されている。

現在のところ、SLSブロックIの試験打ち上げは、2018年11月以降に予定されている。

また今回の発表では、SLSの新しいカラーリングも発表された。従来は白と黒を使った、サターンVロケットに似た色だったが、燃料タンクの地の色であるオレンジ色をそのまま残し、それに合わせて第1段と第2段のアダプターもオレンジ色に、そしてブースターにはオレンジとグレーの2本のラインが入った。

 

■NASA Completes Critical Design Review for Space Launch System | NASA
http://www.nasa.gov/press-release/nasa-completes-critical-design-review-for-space-launch-system